幹部自衛官の転職は管理職で入るべき?|入社ポジションで後悔しない3つの考え方

幹部自衛官の転職は管理職で入るべき?|入社ポジションで後悔しない3つの考え方
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幹部自衛官の転職は管理職で入るべき?|入社ポジションで後悔しない3つの考え方

こんな悩みはありませんか?

  • 幹部として部下を持ってきたのに、民間でまた一から始めるのは抵抗がある
  • 年収を考えると、できるだけ高い職位(管理職)で入社したい
  • でも、民間のやり方も知らないのに、いきなり管理職で通用するのか不安
  • 求人を見ても、どのポジションで応募すべきか判断がつかない

はじめまして、八木です。私は航空自衛隊に17年間勤務し、幹部自衛官として働いたのち、民間企業へ転職しました。現在は外資系企業で管理職をしながら、これまで150人以上の自衛官の方から転職の相談を受けてきました。

今回は、幹部自衛官の方からよくいただく「転職するなら、管理職で入るべきですか?」という悩みについて、私自身の体験と、実際の相談事例をもとにお話しします。

結論:肩書きの高さより「入ってから力を出せる位置か」で選ぶ

結論からお伝えすると、幹部自衛官だから管理職で入らなければいけない、ということはありません。かといって「一段下から入るべき」と言い切るつもりもありません。これは、人によって答えが変わる問題です。

大切なのは、入社時の肩書きの高さだけで決めず、「その位置で、民間のやり方を覚えながら成果を出していけるか」という視点で比べることです。

私自身、高めの職位で入社して、正直しんどさを感じた経験があります。だからこそ、肩書きだけで飛びつかず、入社後の自分の姿まで想像してから選んでほしいと思っています。

なぜ幹部自衛官は「管理職で入りたい」と考えるのか

相談を受けていると、幹部自衛官の方が管理職ポジションにこだわる理由は、大きく2つあるように感じます。

1つ目は、年収です。家族がいたり、住宅ローンがあったりすると、「今の給与を下げたくない」という気持ちが強くなるのは自然なことです。一般的に、管理職の求人の方が提示される年収は高くなるので、まずはそこを狙いたくなります。

2つ目は、これまでの経験を無駄にしたくないという気持ちです。部隊で部下をまとめてきた方ほど、「また一般社員からやり直すのか」と感じてしまいます。自衛隊での立場が上だった方ほど、この気持ちは強いかもしれません。

どちらも当然の気持ちです。ただ、その気持ちだけでポジションを決めてしまうと、入社後に苦しくなることがあります。

相談の中でこんなケースがありました

以前、外資系企業への転職を考えていた現役自衛官の方から相談を受けました。その方は、どの職位で応募するか、そして「外資系は職場が過酷だと聞くけれど大丈夫だろうか」という点で迷っていました。

まず職場環境については、「自衛隊を経験してきた方から見れば、かなり整った環境だと思いますよ」とお伝えしました。休憩する場所も整っていますし、有給休暇もむしろ取るように強く勧められる文化です。

そのうえで、職位についてはこうお話ししました。

「私自身、高めの職位で入社して、しんどさを感じました。一段下のポジションから始めるという選択肢も、検討する価値はあると思います。ただ、これは人によって違うので、一概には言えません」

また、その方は応募する職種を一つに絞ろうとしていましたが、「最初から絞らず、経験が活かせそうな職種に幅広く応募して、数を受けましょう」とアドバイスしました。自衛隊で外部の方と調整する仕事をしてきた経験があったので、営業系の職種も十分に候補になると考えたからです。

入社ポジションで後悔しない3つの考え方

1. 上の職位ほど「細かく教えてもらえない」と知っておく

民間企業では、職位によって求められることが大きく変わります。一般社員に近い職位では、決められた業務を正確にこなすことが中心ですが、上の職位になるほど細かく管理されることはなくなり、自分で考えて動くことが求められます。

自衛隊でも、若いうちは上司から具体的な指示をもらいながら仕事を覚え、立場が上がるにつれて自分で判断する場面が増えていったはずです。民間でも流れは同じですが、違うのは「民間のやり方をまだ知らないうちに、判断する立場に立つ」ことになる点です。

私自身、民間に来てすぐは、社内の言葉の意味や略語が分からない、仕事の進め方が自衛隊とまったく違う、意思決定が非常に速く今日決まったことが今日から全部適用される、といった点に戸惑いました。上の職位で入ると、こうした戸惑いを抱えたまま、すぐに成果を求められます。応募前の面接で「この職位では、入社後どこまで自分で判断することを求められるか」を確認しておくと、入社後のギャップを小さくできます。

2. 「一段下から入る」も選択肢に入れて比べる

年収だけを見ると、高い職位の方が魅力的に見えます。ただ、一段下の職位から入れば、民間のやり方や社内の言葉を覚えながら、自分のペースで成果を積み上げていくことができます。

例えば、2つのポジションで迷ったときは、「年収の差」だけでなく、「最初の1年で何を覚えられそうか」「どちらの方が早く成果を出して評価されそうか」を紙に書き出して比べてみてください。書き出してみると、気持ちだけで選んでいないかを客観的に確認できます。

もちろん、高い職位で入ってうまくいく方もいます。だからこそ「どちらが正解か」ではなく、「自分にとってどちらが力を出しやすいか」で選ぶことが大切です。年収を含めた判断軸の作り方については、こちらの記事でも詳しく書いています。

→ 30代自衛官の転職は年収だけで決めると後悔する|判断軸の作り方4ステップ

3. 入口は広くとり、入ってから動けばいい

「最初に選んだ職種やポジションで、この先のキャリアがすべて決まってしまう」と考える方は少なくありません。自衛隊では、職種や配置は組織が決めるもの、という感覚が強いからかもしれません。

ですが民間企業では、入社後に社内で別の職種へ移れる会社もあります。私が今いる会社でも、現場の部門から人事部門へ移った方がいます。最初の入口で、完璧を求めすぎる必要はありません。

だからこそ、応募の段階では職種を絞りすぎず、経験が活かせそうな求人に幅広く応募することをおすすめしています。その際、応募書類は求人票の「仕事内容」に合わせて、「自分の経験をこの仕事でどう活かせるか」を応募先ごとに書き直すと、読み手に伝わりやすくなります。

幹部経験は「管理職の肩書き」がなくても活きる

一段下の職位から入ったとしても、幹部自衛官として積み上げてきた経験がなくなるわけではありません。

例えば、私が民間で役立ったと感じているのは、自衛隊で身につけた計画の立て方です。イベントから逆算して、いつまでに何を完成させるか、未完成ならどうするかを自分で組み立てる。民間ではこうした計画の立て方を教わる機会がないので、職位に関係なく、周りから頼られる力になります。

また部下の育成では、防衛大学校で学んだ「自分の背中できちんと示す」姿勢が役立ちました。肩書きで人を動かすのではなく、まず自分がやって見せる。この姿勢は、管理職でなくてもチームの信頼を得るうえで大きな武器になります。

面接でこうした経験を伝えるときは、表現が硬くなりすぎないよう注意してください。自衛官の方は、1から10まで全部理解してもらおうとして、話が長くなりがちです。一度、自分の説明を録音して聞き直してみると、改善点がよく分かります。

まとめ

  • 幹部自衛官だからといって、管理職で入らなければいけないわけではない
  • 上の職位ほど、民間のやり方を知らないうちから自分で判断することを求められる
  • 「一段下から入る」も選択肢に入れ、年収差だけでなく「入ってから力を出せるか」で比べる
  • 入口は広くとり、入社後に社内で動くという考え方もある
  • 幹部として培った計画力や「背中で示す」姿勢は、肩書きがなくても活きる

入社時のポジションは、ゴールではなくスタート地点です。肩書きの高さに振り回されず、「数年後にどうなっていたいか」から逆算して選んでみてください。

「幹部までやってきたのに、民間でまた一からやり直すのは怖い」

転職の相談を受けていると、幹部自衛官の方からこうした声をよく聞きます。これまで積み上げてきたものを手放すような気がして、ポジション選びに迷ってしまうのは、とても自然なことです。

私自身も、民間に出てから、自衛隊で当たり前にやってきた計画の立て方が強みになると気づきました。自分の経験の価値は、自分ではなかなか見えないものです。

一人で抱え込まなくて大丈夫です。まだ転職を決めていない段階でも構いません。「自分の経験は、民間でどう活かせるのか」を整理するだけでも、ポジション選びはぐっと楽になります。

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