
こんな悩みはありませんか?
- 自衛隊を辞めるべきか、残るべきか、何か月考えても答えが出ない
- 40代になり「今さら転職なんて」と思う一方で、このままでいいのかとも感じている
- 仕事を優先するあまり、家族との時間がほとんど取れていない
- 周りに相談すると「もったいない」「今辞めるのは損だ」と言われ、余計に迷ってしまう
こんにちは。元自による転職相談所の八木です。私は航空自衛隊に17年勤務し、現在は外資系企業で管理職をしています。これまで150人以上の自衛官の方から、転職やキャリアの相談を受けてきました。
その中で特に多いのが、「転職すべきかどうか、どうしても決められない」というご相談です。今回は、この「辞めるか、残るか」で立ち止まっている方に向けて、私が相談の場で実際にお伝えしている考え方をまとめました。
結論:「辞めるべきか」ではなく「転職で何を叶えたいか」で考える
結論からお伝えします。「転職すべきか、すべきでないか」で悩んでいる間は、無理に転職しなくて大丈夫です。
なぜなら、この二択で考えている限り、答えはなかなか出ないからです。辞めることにも残ることにもメリットとデメリットがあり、天秤にかけても決め手が見つかりません。その結果、同じところを何度もぐるぐる回ってしまいます。
大切なのは、問いそのものを変えることです。「転職すべきか」ではなく、「転職で何を叶えたいか」「自分はこの先どうなりたいか」。この問いに答えが出ると、辞めるか残るかは自然と見えてきます。
なぜ「辞めるべきか」の二択だと答えが出ないのか
年齢を判断基準にすると、本当の気持ちが置き去りになる
「40代だからもう遅い」「若いうちに出ておくべきだった」。相談の中で、こうした言葉をよく耳にします。ただ、年齢はあくまで判断材料の一つにすぎません。
例えば同じ40代でも、家族との時間を何より大事にしたい人と、もっと大きな裁量のある仕事に挑戦したい人とでは、選ぶべき道はまったく違います。年齢だけで「すべき・すべきでない」を決めてしまうと、自分が本当に望んでいることが置き去りになってしまいます。
他人の意見で決めると、モヤモヤが残り続ける
上司や同期、家族など、周りの意見を聞くこと自体は大切です。ただ、最終的な判断を他人に委ねてしまうと、あとで必ずモヤモヤが残ります。
「もったいない」と言われて残った場合、気持ちが晴れないまま何年も働き続け、心身をすり減らしてしまうことがあります。逆に、人に背中を押されて辞めた場合も、うまくいかないときに「あの人が言ったから」と考えてしまいがちです。自分で決めた軸があるかどうかで、その後の納得感は大きく変わります。
自衛隊の物差しで、自分の価値を低く見積もってしまう
自衛官の方は、ほぼ全員が「自分の仕事なんて大したことない」とおっしゃいます。ですが、それは自衛隊の中の物差しで自分を測っているからです。転職で評価するのは、自衛隊ではなく民間企業の採用担当者です。
例えば「指揮幕僚課程修了」「将官の副官」と書いても、民間企業の人にはほとんど伝わりません。一方で、中身を民間の言葉に翻訳すると立派な強みになります。実際、相談者の方の中には「メンタルヘルス」を「健康管理」と言い換えて人事職の選考に通過した方や、「危機管理」を「リスク管理」と言い換えたことで書類選考の通過率が一気に上がった方もいました。「大したことない」と決めつける前に、伝え方を変えてみる価値は十分にあります。
相談の中でこんなケースがありました
先日、40代の自衛官の方からご相談を受けました。休日も含めて勤務が続き、家族との時間がほとんど取れない状態が長く続いていたそうです。以前にも一度転職活動をしたことがあり、そのときは条件が合わずに諦めた経験もお持ちでした。
お話を伺っていると、「転職すべきかどうか」という言葉が何度も出てきました。そこで私は、こんな質問をしました。
「年収が100万円上がるけれど今より忙しくなる仕事と、年収が50万円下がるけれど定時で帰れる仕事。どちらを選びますか?」
少し考えたあと、その方は「下がっても、定時で帰れるほうがいいです」と答えました。本当に大切にしたいのは家族との時間だということが、ご本人の言葉で初めてはっきりした瞬間でした。
転職を考えるとき、多くの方が「年収は上げたい、でも今より忙しくなるのは困る」という矛盾を抱えています。そして気づかないうちに、年収へのこだわりが本当に大事なものを上書きしてしまうのです。この方の場合も、判断の軸が「年収」から「家族との時間」に変わったことで、次に何をすべきかが一気に見えてきました。
「転職で何を叶えたいか」を決める3ステップ
ステップ1:今の不満ではなく「この先どうなりたいか」を書き出す
まずは、今感じている不満を紙に書き出し、それを「どうなりたいか」に言い換えてみてください。例えば「休日出勤が多い」なら「土日は家族と過ごしたい」、「異動のたびに引っ越しがある」なら「同じ場所に腰を落ち着けたい」という具合です。
ここで役立つのが、自衛隊で身につけた「逆算の考え方」です。私自身、民間に出てから一番役立ったのが、イベントから逆算して、いつまでに何を完成させるかを自分で組み立てる力でした。キャリアも同じで、「子どもが進学するまでに」「50歳までに」など期限を置くと、何を優先すべきかが具体的になります。
ステップ2:優先順位を1つに絞る
年収、時間、勤務地、やりがい。すべてを同時に満たす転職先はなかなかありません。だからこそ、自分にとって一番譲れないものを1つに絞ることが大切です。
迷ったときは、先ほどのケースのように二択の質問を自分に投げかけてみてください。「年収が上がるが転勤あり」と「年収は据え置きで地元勤務」ならどちらか。こうした問いに答えていくと、頭で考えていた優先順位と、本音の優先順位の違いが見えてきます。
ステップ3:年収の「下限ライン」を家族と決めておく
優先順位が見えたら、転職活動を始める前に、ご家族と家計について話し合い、「この金額を下回るなら転職しない」という年収の下限ラインを決めておきましょう。
自衛官はベースの給与が比較的高いため、年収が50万円下がったとしても、家計への影響は思ったより小さいことが多いです。下限ラインが決まっていれば、求人を見るときも判断がぶれませんし、ご家族も安心して応援できます。
転職活動は「始めてもいい」、合わなければやめればいい
「転職活動を始めたら、もう後戻りできない」と考える方もいますが、そんなことはありません。転職活動そのものはリスクが低く、内定が出なかったり、条件が合わなかったりすれば、やめればいいだけです。
むしろ活動を通じて自分の市場価値が分かり、「自衛隊を続けながら資格を取ろう」といった新しい目標が見つかることもあります。また、「自分には別の選択肢がある」と思えるだけで、職場で理不尽なことがあっても気持ちに余裕が生まれます。
私自身、34歳で初めて転職活動を始めたときは、エージェントに「紹介できる求人がない」と言われ、面接官からは「民間をなめている」とまで言われました。それでも書類や伝え方を見直したことで、外資系企業からスカウトを受け、内定をいただくことができました。その後、社内で部署が合わないと感じたときにも、もう一度自分の力で内定を取り直しています。最初の活動がうまくいかなくても、その経験は必ず次につながります。
残りの人生を、どう過ごしたいか
80歳までと考えても、40代であれば残りはおよそ30年あります。もし今の状況を我慢しながら10年過ごすと、その10年は戻ってきません。そしてその影響は、残りの20年にも及びます。
辞めることが正解とは限りませんし、残ることが間違いとも限りません。大切なのは、「何を叶えたいか」を自分で決めたうえで選ぶことです。
まとめ
- 「転職すべきか」で悩んでいる間は、無理に転職しなくていい
- 問いを「転職で何を叶えたいか」「この先どうなりたいか」に変える
- 年齢や他人の意見、自衛隊の物差しで判断しない
- 3ステップ:①不満を「どうなりたいか」に言い換える ②優先順位を1つに絞る ③年収の下限ラインを家族と決める
- 転職活動はリスクが低い。始めてみて、合わなければやめればいい
一人で悩み続けなくて大丈夫です
「辞めたいのか、残りたいのか、自分でもよく分からない」
これは、相談の現場で本当によく聞く声です。真面目に任務と向き合ってきた方ほど、自分のことは後回しにしてしまい、気づけば何年も同じところで迷い続けています。迷っているのは、決してあなただけではありません。
私自身も民間に出てから、自衛隊では当たり前だと思っていた計画の立て方が、実は民間では誰も教えてくれない大きな強みだったと気づきました。自分の価値は、自分一人ではなかなか見えないものです。
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