「転職しようかな…」と思ったときに、まず最初にぶち当たる壁があります。
それは、「職務経歴書の作成」です。
職務経歴書を作成しようとおもったときに、多くの自衛官がこんなことを感じていると思います。
職務経歴、思ったように書けない……。
なにを書いたらいいのかさっぱり……
こんなお悩みの原因と対策について、お答えします。
職務経歴書が書けない原因
職務経歴書が書けない原因は、実は1つだけです。
それは、
「仕事の数値化をしていない」
これだけです。
仕事の数値化ができていれば、職務経歴書を作成する際に、
「あ、あの仕事を書こう」
と思い浮かべることができます。
そして、説得力ある職務経歴書ができあがります。
一方で、
仕事の数値化ができていないと、
ちょっと映えそうな仕事を書こう
と思ってしまい、ニュースになった出来事や対外的に公表されていることを書いてしまいます。
たとえば、
・F-35の導入に携わった
・海外派遣に従事した
・災害派遣で部隊の指揮をした
というようなことです。
よかれと思って書いてしまうので、気をつけてください。
(かくいう筆者も、たくさん書いていましたが……)
数値化が重要な理由
ではなぜ数値化が重要なのでしょうか。
その答えに行く前に、1つ質問です。
国家機関と民間企業の大きな違いはなんでしょうか?
簡単ですよね。
「営利目的であるか」
これだけです。
それぞれがサービスを提供しているので、以下のように言えます。
・国家機関は営利目的ではなく、国民にサービスを提供します。
・民間企業は営利目的で、人々にサービスを提供します。
ちょっとまって。
「国家機関がサービス提供」ってなんかヘンな感じ……
このように感じる方もいらっしゃると思います。
「サービス=利益をもたらす仕事」と捉えると以下のようにいうことができます。
政府は、「国民の保護」というサービスを国民に提供しています。
地方自治体は、「生活の安定」というサービスを県民や市民に提供しています。
民間企業は、「利用者の利益」というサービスを購入者に提供しています。
そして、自衛隊は「国家の安全」というサービスを国民に提供しています。
つまり、国家機関もサービスを提供している、と言えるのです。
そして、サービスを提供する際に、国家と民間企業の違いは、「財源」です。
国家の場合は、税金です。
民間企業の場合は、人々がサービスを購入した代金です。
税金は、全国民が納めなければならないものですが、民間企業が提供するサービスを購入する人は限定されます。
民間企業の場合、サービス利用者がゼロになれば、財源もゼロになり倒産します。
だから、「数字」が大事なのです。
どれだけの人がサービスを利用しているのか。
サービス利用者のうち継続して購入している人はどれだけいるのか。
サービスの売上が悪い場合、それはいつから始まり、原因は何か。
これらを説明するときに必ず「数字」が必要になります。
だから、「数値化」できることが必要不可欠なのです。
数値化ってなにをすれば良いの?
では、実際に「数値化」するにはどうしたらいいのでしょうか?
実はそんなに難しくありません。
これだけです。
や、だからそれが分からないんですよ💦
とお思いのあなたのために、もう少し詳しくお話ししますね。
ステップ1:事実を5W1Hで書く。
まず最初に「事実」を書きましょう。
ここでは、さきほどダメな例にあげた「F-35の導入に携わった」を使います。
『え、さっきダメっていったよね?』
おっしゃるとおりです。
ですが、ダメなのは書き方であって、内容そのものではないのです。
どんな仕事でも数値化すれば、必ずかがやく部分があります。
それを念頭に置いて、作業にうつりましょう。
WHEN:2020年4月〜2021年3月
WHERE:導入先部隊
WHAT:F-35の地上器材を
WHY:上司からアサインされたため
HOW:会議の開催、部隊への出張、根拠文書の作成等
これでOKです。
ステップ2:数値化できるところがないか探す。
ここでは、5W1Hのうち、数値化できるところがないかを探します。
WHO:補給本部の班員として
ここは特になさそう…
WHEN:2020年4月〜2022年3月
これはすでに数値化されていますね。
WHERE:導入先部隊
ここはもうちょっと書けそう!
WHAT:F-35の地上器材を
ここももう少し具体化できそうな感じがする!
WHY:上司からアサインされたため
ここはちょっと分からないなぁ…。
HOW:会議の開催、部隊への出張、根拠文書の作成等
これはもうちょっと書けそう!!
以上です。
ここで重要なのは、「数値化できそうなところを探す」だけにすることです。
「探して、そのまま数値化」としてしまうと、1項目を数値化するだけで疲れてしまいます。
疲れてしまうと、それ以上作成が進みません。
なので、ここでは、「探す」だけをします。
ステップ3 数値化する
ここからが具体的に数値にしていくステップになります。
「具体的に」と言ってもやることは簡単です。
「数字」を入れるだけです。
『WHERE:導入先部隊』であれば…
導入が予定されている◯個部隊(△機分)、と言い換えることができそう!
といった感じです。
この感じで「数値化できそう」と思ったところに数字を入れていきます。
『WHAT:F-35の地上器材を』
○○種類のとか、合計△億円とか、□□か所のルートを使って、とかと言えそう!
『HOW:会議の開催、部隊への出張、根拠文書の作成等』
○部署が参加する会議(一部英語)とか、○か所の部隊への△回の出張とか、○○ページにわたる手順書の作成とか、が数値として言えそう。
ステップ4 まとめる
ステップ3で数値化したものをまとめます。
航空自衛隊のサプライチェーンを担う補給本部の班員として、2020年4月〜2021年3月の間、上司からの指示を受け、F-35の地上器材の導入に携わった。
F-35の導入が予定されている◯個部隊(△機分)に対して、○○種類の地上器材(合計◯億円分)を□□か所のルートを使って、確保した。
この取得の間、○部署が参加する会議の開催(一部英語あり)を1回/週行うとともに、現場の把握のために○個部隊への出張を通じて現場の混乱に対応するとともに、○○ページに渡る根拠文書の作成指示・校閲を実施した。
いかがでしょうか?
単純に「F-35の地上器材導入」と説明するより、ずっと具体的かつわかりやすくなりましたね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここでは、数値化が必要な理由と具体的な数値化のための4ステップをお伝えしました。
この数値化をすることで、民間企業の採用担当は「あなたが何をしてきた人なのか」がより明確に分かるようになります。
ぜひ実践してみてくださいね!