自衛官として働く中で、長時間労働や家族との時間がなかなか取れないことに悩んでいませんか?
私も同じ悩みを抱えていました。自衛隊での仕事、特に幹部自衛官は多忙を極める一方で、家族との時間が減ってしまうことは避けられません。
しかし、民間企業への転職によってその状況を改善することができたので、実際に変化して良かった点、悪かった点を含めてまとめてみました。本記事では、私が自衛官から民間企業へ転職したことで家族との時間が増えた実態について、詳しくお伝えします。
こんな人にオススメ
- 自衛官として長時間労働に悩んでいる人
- 家族との時間を増やしたいと考えている自衛官
- 民間企業への転職を検討しているが、家族への影響を心配している人
- 30代の自衛官で、小さな子供がいる家庭を持つ人
この記事でこんなことがわかります!
- 民間企業への転職による家族との時間の増加理由
- 転職活動の進め方と成功事例
- 転職後の家族との時間の変化
※本記事をご覧いただく前に
本記事については、あくまで私が自衛官から民間に転職して感じた「個人的な所感」です。自衛官から民間に転職した方がすべて同じように家族との時間を確保できたりするわけではないですし、中には自衛官のときのほうが余裕があった、と感じられる方もいらっしゃると思います。その点ご承知おきください。
自衛官の働き方 ≠ 家族との時間
自衛官として働くことは非常にやりがいがある一方で、長時間労働や不規則な勤務体制が一般的です。私も、自衛官としての任務を全うする中で、家族との時間が思った以上に限定されること、なにより、いつでも電話がつながる状態にしておかなければならないことに、ストレスを感じていました。
「自衛官として当たり前だろ!腑抜けか!」
こんな風にお叱りを受けるかもしれません。
平日は特に問題ないのですが、休日子供を遊びに連れて行っている間も、頭の片隅に仕事がある状態でしたし、「携帯に連絡が来ているかも……」なんてことを気にしなければなりませんでした。
特に、訓練や任務が重なると、平日に家族と過ごす時間がほとんどなく、週末も急な呼び出しがあるため、安定した家族との時間を持つことが難しい状況でした。自衛官として勤務していた間、平均して月80〜100時間の残業をしていたため、家族団らんの時間を持つことが困難であったと感じています。(これでも残業は少ない方だと思います。。。)

『「サザエさん」の朝食風景はアニメだから』
私が転職を決めた理由は、自衛官としてのキャリアに限界を感じたためでしたが、それでも民間企業への転職によって、働き方や勤務体制が大きく変わりました。今どきの多くの民間企業では、定時退社やフレックスタイム制度が導入されており、家族との時間を確保しやすい環境が整っています。特に労働基準法を遵守する風潮が高まっており、月45時間以上の残業はかなり厳しく制限されている実感があります。
変化その1 朝子供を見送ってから出社できるようになった
私自身はというと、勤務は9時〜18時の平日勤務。残業には波がありますが、月18時間以内で収まっています。(あんまり大きな声では言えませんが月によっては、2時間程度のことも……)
通勤にかかる時間ですが、自宅から職場まではだいたい45分くらいです。なので、朝8時過ぎに自宅を出ています。そのため、朝ごはんを食べて、小学校に行く子供を見送ってから出勤します。自分が子供だった頃は、こんなことは絶対になかったので、初めて子供を見送った時は「子供の成長に向き合っている」という今までに味わったことのない充実感を感じました。
私たち世代(30歳〜40歳)の父親は基本的に仕事をするのが家庭内の役割だったと思います。
今ほど休暇を取るのが一般的ではなく、平日に家にいるなんてことはほぼないのが普通でした。特に自衛官という職業は朝が早いです。8時始業で7時には職場にいるのが当たり前。
早出の人であれば、5時半くらいには職場にいるでしょう。そんな働き方をしていれば、家族とコミュニケーションを取る時間を確保するのは困難ですよね。
サザエさんやドラえもんなどのアニメで、平日の朝、お父さんと朝ごはんを食べたり、夕ご飯を共にしている描写があったりします。私の場合、父も自衛官だったので、平日の朝夕に父と一緒にご飯を食べた記憶はありません。なので、これらのアニメの描写は、アニメの中だけの出来事なんだと本気で思っていました。
でも、今は父親も育児・家事を行なう時代です。
それは土日の2日間で子供の面倒を見ているだけでは足りません。残りの5日間を全て奥さんに任せっきりではコミュニケーションの物理的な量は確保できないからです。私自身が「良い父親」かどうかは妻・子供が判断するところだと思いますが、少なくとも「子供と向き合っている父親」でありたいと考えています。

変化その2 晩ごはんも家族と一緒に食べる
18時に仕事を終え、そそくさと帰るのが私の常です(笑)
だいたい妻と子供2人(8歳、5歳)が晩ごはんを食べる19時くらいのタイミングで帰宅できます。この時間に帰宅できると、子供に今日何があったか聞くことができますし、妻から「こんなことがあったよ」と聞くこともできます。寝る前に子供たちとちょっと遊んだり、ボードゲームをすることもあります。テレワークの日は、通勤時間が掛からないので、一緒にお風呂に入ったり、テレビを見たり、一緒にゲームをしたりもします。
想像以上の「即応体制」ストレスからの解放
変化その3 「突然の連絡にも対応しなければならない」ストレスからの解放
自衛官として働いていた時は、土日に急な呼び出しや連絡が頻繁にありました。
休日に子供をプールに連れて行くとき、物理的に携帯電話にアクセスできないタイミングがある際は、行く前に「今から1時間程度、携帯電話通じません」と上司と部下隊員に連絡をしていました。
子供を公園に連れて行っている最中に部隊から電話が入って、遊んでいる途中の子供に「ちょっと帰るよ」と声を掛け、帰宅したこともあります。このように自衛官には、突然の連絡が来ても良いように、「即応体制」を確保しておかなければなりません。
ですが、民間企業ではそのようなことは一切ありません。3ヶ月前に計画した海外旅行にだって何の心配もなく行けますし、遊びに行っている最中に「帰ってこい」という人は誰もいません。
誰に気を遣うこともなく好きなように行動して良いのです。自衛官の間は「突然の連絡が来るかもしれない」というストレスを当たり前のものとしていたのですが、これがなくなると思っていた以上の開放感がありました。
この感覚はまさに「自由」です。自由になる前は、即応体制を維持すること、そして、いつでも連絡可能な状態にしておくことがこんなにストレスを与えていたことに気づきませんでした。
自衛隊と民間の「家族」範囲の格差
ところで、自衛隊にいるとあまりペットを飼っている人っていないですよね。
全国転勤で居住地が安定しないというのも理由の1つかもしれません。ですが、民間に行くと割とみんな何かしらのペットを飼っています。そして、外資企業だとペットも「家族」としての扱いを受ける傾向が強いです。
ペットも家族なので、「うちの猫の調子が悪いから、病院に連れていく」という理由でお休みを取得する方もいます。さらに、「うちのワンコが急に入院しなきゃいけなくなったから、明日から不規則な勤務にするね」とおっしゃられる方もいます。これが普通です。(ちなみに八木はペットを飼っていないので、この経験はありません)
ですが、自衛隊だったら、ぜっっっっったいに、「ペットの調子が悪いから休みます」という理由で休暇を取得する人はいないですし、いたら白い目で見られるはずです。そもそも「家族」の定義が自衛隊と民間ではすでに大きく乖離しているのです。
自衛隊の場合はいわゆる血縁関係ですが、民間の場合は、自分が「家族」と申告する人が「家族」です。(もちろん手当等の規則は別ですが……)
そして、「家族を大事にする」ことが重要視されない企業は、従業員からも選ばれません。
ですが、良いことばかりが起きるわけではないので、マイナスポイントについてもお伝えしておきます。
転職直後に起きたマイナスポイント
一時的なストレスの増加
転職後の3ヶ月から半年の間、やはり新しい環境に慣れるためのストレスは感じました。
自衛隊という一生クビになることのない組織にいたため、「クビになるかもしれない」「試用期間を無事に過ごせないかもしれない」というプレッシャーを感じていました。(今でこそ笑い話ですが、当時は本気でした笑)
また、公務員から外資企業というまったく風土の異なる場所に移ったため、カルチャーに慣れるのには、少し時間が掛かりました。とびかう言葉の意味がチンプンカンプンだったり、ネットワークに接続するのにVPNにつないだり、朝礼がバーチャルで行われたり等々あげればキリがありませんが、そういった慣れない状況にいるのは、その場にいるだけで負担が掛かります。その上で、新しいことを学んだり、覚えたりしていく必要があるため、一定のストレスはありました。
ただし、ストレスは一時的に増えたものの、仕事に慣れていくにしたがってストレスは減りました。また、転職する前に妻に相談していたおかげで、適切なサポートがもらえたと感じています。
おわりに
家族との時間を増やすためには、民間企業への転職が一つの有効な手段となります。自衛官として培ったスキルを活かし、新しいキャリアを築きながら、家族との時間も大切にしていきましょう。転職活動で家族との時間を増やすことができた、この方の例も参考にしてみて下さい!
「【転職成功事例】自衛隊歴12年。子との時間を増やしたいママ自衛官が、自信ゼロから年収UP、フルリモート、残業少の希望条件を全て満たした転職を実現した方法とは…。」
ではまた!