「このまま自衛官として勤務していて、将来だいじょうぶかな…」
「退職を迎えたときに無事に再就職できるのかな…」
こんな不安を感じたことのあるあなたに、「成功する再就職に最低限必要な3つ」をお伝えします。
1 防衛大卒CSC出。でも8社受けて全滅…。
私は2020年、3等空佐で航空自衛隊を退職しました。
転職活動は2020年4月から開始し、今の会社に入るまでに8社受けました。
すべて落ちました。
書類は通るんです。
ですが、一次面接を受けて軒並みお見送り。
困難であることは分かってはいたものの、やはりみじめな気分でした。
「やっぱ自分にはムリなのかな」
「自衛官なんて誰も必要としていないのかも…」
と思いました。
無事今いる会社とご縁があり、転職を果たすことができました。
ですが、このように思いました。
「定年退職を迎えて再就職に臨む方々も同じ思いをしているかもしれない…。」
「こんなみじめな思いを他の誰かにして欲しくない」
そこで、とある数値を調べてみました。
2 再就職成功確率…19.6%。
それは「航空自衛官の再就職が成功する確率」です。
防衛省が公表している航空自衛隊の年間退職数は55歳以上の定年退職者が約1000人です。
そして主に20歳代の任期制隊員が約500人です。
そして、再就職実績を確認してみました(URLは下部に記載)。
この実績には、2020年7月~9月までの間の就職再就職先実績が記載されています。
実績は、「定年退職者」と「任期制隊員」の2つに区分されています。
定年退職者の再就職先は49 件、任期制隊員の再就職先は29 件記載されていました。
この実績は3ヶ月分の件数です。
対象退職者の数は記載されていません。
したがって、退職隊員数が年間退職者数の4分の1だとすると、定年退職者数は250人、任期満了隊員は125人と推定できます。
そうすると、定年退職者の再就職成功確率は、19.6%となり、任期制隊員の再就職成功確率は、23.2%となります。
すなわち、多くても10人に1~3人程度しかまともに再就職できていないという計算になります。
お世辞に言っても数値は良くないでしょう。
ですが、ご安心ください。ちゃんとこの数値を改善する策があります。
3 民間企業で採用する側になって分かった。自衛官が再就職・転職に弱い原因3点
私自身転職を経て、新しい会社で面接官として採用に携わることができました。
その経験から考えるに、自衛官が再就職・転職に弱い原因は3点です。
① 仕事を数字で表す習慣がない
自衛隊を含めて多くの公務員は「数字」で仕事を表す習慣がありません。
なぜなら公務員は、規則通りに仕事をこなすことが求められているためです。
重要なのは「何件」仕事をしたかではなく、「定められた法令とおりに」仕事をしたかが求められます。
一方で、民間会社は、どれだけ物事を改善したかという「数字」を追求します。
求められているものが異なるにも関わらず、自衛官は経歴書や面接などで、これまでいかに「定められた法令とおりに」仕事をしてきたかをアピールしてしまうのです。
民間企業に行くのであれば、「数字」で表す心がけが必要不可欠です。
② 仕事が特殊だと思い込んでいる。
「自衛隊の仕事は特殊」と多くの方がおっしゃいます。
この「自衛隊の仕事は特殊」論は自衛隊の中では根強い信仰を誇っており、入隊時にそう思っていなかった方も、だんだん意見を変えていきます。
ですが、私が感じるに仕事というのは多くの場合同じです。
なぜなら、仕事というのは「組織が抱えている問題点や課題を解決する」ことであり、それは民間企業であっても、自衛隊でも変わらないからです。
・iPhone12の改善点をアップデートしたiPhone13(apple)。
・「お店で注文するようなごはんを家でも食べたい」という課題を解決したUber Eats。
・「ネットワーク上でも仕事ができるようにしたい」という課題を解決したSlackやSkype。
これらは名だたる有名企業ですが、あなたの仕事も根っこは一緒です。
・「F-35Bの導入・運用開始」という課題を解決するために、自分の担当について関係部署と調整を行う。
・「情報保証関連業務に多大な時間が掛かっている」という課題を解決するために、作業プロセスの改善策を立て、実行する。
・「職場環境の改善」という課題を解決するために、隊員との面談を実施し、現状を把握する。
要は、「課題を解決する」ということに焦点が置くことが重要です。
「自衛隊の仕事は特殊」という思い込みを捨てて、「課題や問題を解決している」という視点で仕事を見てみましょう。
③ 「仕事を作る」経験が極めて少ない
自衛官が再就職・転職に弱い最大の原因は、これだと私自身は感じています。
自衛隊においては、「自分から問題点を見つけて、それを解決する解決策を提示し、周りを巻き込んで実行する」経験が圧倒的に少ないです。
民間企業では、与えられた仕事だけを行う「指示待ち人間」は歓迎されません(もちろん自衛官が「指示待ち人間」というわけではありません)。
そもそも企業はどのような思いで、高い採用コストを払って、採用活動を実施しているのでしょうか。
それは、「会社の問題を見つけて、解決してくれて、もっと稼げるようにしてほしい」という思いです。
「現状のままでは、更なる飛躍が望めない。」
そんな状況を打ち破ってくれる人材を探しているのです。
そのような思いがあるなか、候補である自衛官が「今まで〇〇の業務に従事していました。これは防衛省主導で進めていた案件で…」と説明しても意味がありません。
なぜなら、「問題発見→対策立案→実行」の3ステップを実行してほしいという企業の思いとはかけ離れるからです。
実際の求人を見てみましょう。
以下はとある転職サイトで見つけた事業責任者(候補)に対して「求める人物像」です。
この企業が求めているのは、以下のような人物です。
『テクノロジーを用いて「問題」を見つけ、柔軟な思考で「対策」を立て、スピード感をもって「実行」できる人物』
さきほどの「問題提起→対策立案→実行」という3ステップが求められていることが分かります。
※求人内には「仕組み化」という項目があります。これは「仕組み化ができていない」という問題点について、対策立案を実行する、という「問題提起→対策立案→実行」という3ステップに該当します。
4 誰でもできる!「成功する再就職・転職に必要な仕事の3ステップ」
これは決して難しいプロセスではありません。
あなたも勤務しているなかで感じている「問題点」や「課題」はあると思います。
その問題点・課題に対して、対策を立て、実行をすれば良いのです。
こう書くと難しそうに感じますが、大それたことは必要はありません。
・経年劣化で作業効率が落ちている工具を選定し、必要な予算を明らかにして上申した。
・作業品質の均一化を図るため、作業の進捗が遅れがちな隊員に対して個別に訓練を実施し、作業品質を向上させた。
・停滞しがちな事務作業を効率化するために、エクセルでフォーマットを作り、自動的に計算が行われるようにした。
これらの実行した結果を、「数字」と「一般的な言葉」で表現してあげれば良いだけです。
以上、「空自衛官の再就職の成功確率は〇〇%…?」と題して、再就職が成功する確率とその原因及び対策について述べてきました。
再就職・転職を目の前に控えているあなたのお役に立てれば幸いです。
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