はじめに
「自衛隊での経験なんて、民間企業では通用しない…」と感じている自衛官は多いと思います。
何を隠そう私自身も現役自衛官のときはそう思っていました。
自衛隊で培ったスキルや経験が、どのように民間で評価されるのか分からず、不安や迷いを抱えている方は少なくないはずです。
しかし、実は自衛官のスキルは、民間企業においても評価されます。
今回は、そのスキルをどのように自己PRとしてアピールすれば、面接官に「ぜひ採用したい!」と思ってもらえるのかを具体的にご紹介します。
こんな人にオススメ
- 転職活動中の自衛官で、自己PR作成に困っている方
- 民間企業で自衛隊での経験をどう伝えれば良いかわからない方
- 30代〜40代で転職を考えている現役自衛官
この記事でこんなことがわかります!
- 自衛官のスキルを活かした自己PRの作り方
- 企業の求める能力に合わせた自己PRのポイント
- 面接官に響く自己PRの具体例とコツ
自衛官が持つ強みとは?
先ほどお伝えしたように、自衛隊で培ったスキルは、民間企業でも十分に通用します。
しかし、多くの自衛官が自分のキャリアを過小評価してしまうのは、自衛隊と民間が『あまりにも違う』と感じているからです。
実際には、自衛隊で身につけたリーダーシップ、危機管理能力やプロジェクトマネジメント、そしてそれぞれの職種で身につけた知識や経験は、一定の分野で求められるスキルです。
まずは、自衛官の強みを認識し、それをどう企業に伝えるか考えていきましょう!
自己PRを作るための3つのステップ
自己PRを効果的に作成するためには、以下の3つのステップを踏むことが重要です。
ステップ1:会社でどのように役立つかを証明する
ステップ2:棚卸しした経歴からエピソードを選ぶ
ステップ3:STARで構成する
これだけだとわかりづらいとおもうので、以下で詳細を見ていきましょう!
ステップ1:会社でどのように役立つかを証明する
自己PRでやってしまいがちな間違いは、『ハイスペックであることを主張する事』です。
『え、ダメなの?』と思う方もいるかもしれませんが、これはダメです。
なぜなら会社は『適材適所な人材』が欲しいのであって、オーバースペックな人材なんて要らないからです。
例えば、海外大学卒業で英語ペラペラな人が新隊員として入隊してきたらどう思うでしょうか?
『勿体無い』と思うでしょうし、『きっとすぐ辞めちゃうよな』と感じますよね。
会社は長く勤める人を採用したいので、オーバースペックな人は取らないのです。
注意!『資格のデパート』は求められない
加えて、自衛官がやりがちな間違いとして『資格デパート』になってしまう事です。
自分に不足する経験や能力を補いたい、と思うばかりに資格ばかりを取得するパターンですね。
これも会社からすれば、『何がしたいのか分からない謎の人』と映るので印象は良くありません。
ということで、自分がハイスペックであることをアピールするのではなく、具体的に「会社でどのように役立つか」を証明することが大切です。
これには、企業のニーズに合わせることが不可欠です。
まずは、応募先の会社が求める能力(例:現場を牽引するリーダーシップ、複雑に課題が絡まり合った案件の問題解決能力など)を特定し、その力をあなたが持っていることを証明しましょう!
ステップ2:棚卸しした経歴からエピソードを選ぶ
会社が求める能力が特定できたら、それに関連する具体的なエピソードを考えます。
自衛隊での経験を振り返り、関連する場面を思い出し、最もインパクトのあるエピソードを選び取っていけばOKです!
この際、重要なのは『数字』です。
自衛官の転職・再就職でもっとも困難な部分となります。
なぜなら自衛隊にいる間は、数字で何か意見を述べる、ということをしていないからです。
しかし、部隊の人員規模や予算金額等を述べていくことで、より具体的になりますし、あなたの自己PRに納得感が増します。
もちろん秘に該当する内容を言う必要はありませんが、高校生が理解できる内容程度にとどめて置くことがコツです。
ステップ3:STARで構成する
エピソードを整理する際には、STARフレームワークを活用するのが効果的です。
STARは、Situation(状況)、Task(課題)、Action(行動)、Result(結果)の4つの要素で構成され、相手にわかりやすく自分の経験を伝えるための手法です。
- Situation(状況): 自衛隊での具体的な状況や背景を説明します。 例、「隊内で業務上の事故が頻発していた」という状況。
- Task(課題): その状況で直面した課題を説明します。 例、「特定の業務で事故が継続しており、対策を立てても事故が継続していた」など。
- Action(行動): 課題に対して自分が取った行動を説明します。 例、「業務内容を分析するとともに、隊員にヒアリングを実施し、対策を立案」。
- Result(結果): 最終的にどのような成果を上げたかを説明します。 例、「事故の発生を根本的に解決する対策を実施し、事故ゼロを実現」など。
このようにSTARフレームワークを使って整理することで、面接官に強い印象を与え、具体的でわかりやすい自己PRを作成することができます。
ここで気をつけたいのは、「長さ」。
自分をPRしようとがんばるあまり、説明内容が長くなり、面接官が理解していないのに、喋り過ぎてしまうことも……。
長くなりすぎるようであれば、面接官に「ここまで課題についてお話させていただきましたが、実際にとった行動もお伝えして良いですか?」と聞きましょう。
面接官も集中力を取り戻してくれますし、質問があれば質問してくれるはずです。
面接官に刺さる自己PRの最終仕上げ
最後に、自己PRを仕上げる際には、面接官に刺さるようにポイントを整理しましょう。
面接官に刺さる、というと難しく感じますが、実は「求人票」にポイントとなる事項は、すべて書いてあります。もし書いてなくても、企業のHPなどには必ず記載があります。
自己PRは単に自分のスキルを並べるだけでなく、企業が求めるニーズに応え、それに対して自分がどのように役立つかを伝えることが重要です。
これができれば、面接官も「この人なら会社にとって大きな力になる」と感じます!
おわりに
自衛官として培った経験やスキルは、どのように伝えるか次第で、面接官に強い印象を与える武器になります。
この記事で紹介した4つのステップとSTARフレームワークを活用して、企業が求める「欲しい人材」に自分をアピールし、転職活動を成功に導いてください!
実例を確認したい方はコチラも参照してみてくださいね!