はじめに
自衛官からの転職を考えている人や再就職を控えている方にとって、書類選考での不合格が続くことは大きなストレスです。
自衛官が転職活動を行う際には、企業に「自分のスキルや経験がどう役立つのか」を明確に伝えることが求められます。
しかし、自衛隊ならではの言葉遣いや表現が障壁となり、採用担当者に伝わりづらいことが多いのが実情です。
中には『しょせん自衛隊だしな…』と感じている方もいます。
本記事では、なぜ自衛官が書類選考でつまずきやすいのか、その理由を明確にし、改善策をお伝えします。
自分の強みを活かし、書類選考を突破するためのポイントを一緒に学んでいきましょう。
こんな人にオススメ
- 転職活動で書類選考が通らず、無力感を感じている30代、40代の自衛官
- 自分のスキルや経験をどのようにアピールすれば良いのか迷っている50代の再就職を控えた自衛官
- 自衛隊での実績を民間企業にどう伝えればいいか不安を抱えている方
この記事でこんなことがわかります!
1. 自衛官が書類選考で落ちる理由とその根本的な原因
2. 自衛隊での経験を民間企業にわかりやすく伝える具体的な方法
3. 転職活動を成功させるための自己アピールのコツと準備方法
自衛官の経験を民間に伝えるのは難しい……
自衛官の経験をどのようにして民間企業に伝えるかは、多くの転職活動者が直面する課題です。かく言う私も現役の頃は『相当』苦労しました……。
自衛隊で得たリーダーシップや危機管理能力は貴重なスキルですが、それをそのまま伝えても、まったく伝わらないことが多々あります。
特に自衛官特有の役職や用語が、企業の採用担当者にとって理解しにくいため、転職成功には民間企業向けの表現や視点が求められます。
自衛官が書類選考でつまずく3つの理由
自衛官が書類選考で落ちる主な理由として、以下の3つが挙げられます。
この3つのポイントを改善することで、企業が求める人物像に近づけ、自分の強みを正しく伝えられるようになります。
1. 相手が知りたい内容を提供できない
自衛隊での経験やスキルをアピールする際、多くの方が「自分本位」の内容を書いてしまいがちです。
しかし、企業が知りたいのは「その経験やスキルが会社にどのように貢献できるか」という点です。
応募書類では、自分が持っているスキルを採用担当者に「欲しい」と思わせるために、どのように役立つかを明確に示すことが重要です。
たとえば、単に「リーダーシップがある」ではなく、「チーム全体の効率を向上させ、〇〇%の業務改善を達成した」といった具体的な成果を添えることで、より採用担当者に響く書類となります。
自分のスキルが企業にとってどう役立つのかを、相手目線で書くことが鍵です。
2. 自分の経歴を自衛隊用語でアピールしている
自衛官の経歴には、一般企業では理解されにくい専門用語や役職名が多く含まれています。
例えば「隊長」「指導官」「部隊」などといった自衛隊内の肩書きや役職名は、企業の採用担当者には馴染みがなく、相手が理解できないことがほとんどです。結果として、適切に評価してもらうことができません。
そこで、「部隊指導」を「チームリーダーシップ」、「危機管理能力」を「リスク管理能力」といった一般企業で通じる言葉に変えることで、企業側にも理解しやすい内容となります。
また、自衛官としての独自の用語や業務内容を、企業目線で説明することが大切です。
採用担当者が理解しやすい表現にすることで、書類選考の通過率も上がるでしょう。
3. 数字でものを言えない
採用担当者は、応募者がどれだけの成果を上げたかを数値で確認したいと考えています。
しかし、自衛官の成果は数字で表しにくいことが多いのも事実です。年に何回か業績評価を記入するタイミングがあると思いますが、このときですら自分が何をしていたのか分からず手が止まってしまう方がほとんどだと思います。
とはいえ、工夫次第で数値化は可能です。例えば、「〇〇のプロジェクトにおいてチームの生産性を10%向上させた」や、「危機管理計画を実行してリスクを50%削減した」など、数値化することで具体的な成果が見えるようになります。
また、指導してきた隊員の人数やプロジェクト達成率といった具体的な数値を挙げると、採用担当者に自分の実績が伝わりやすくなり、信頼性も増します。
実績やスキルを数字で示すことで、企業にとって「採用したい」と思えるようなアピールができるようになるのです。
自分の経歴をわかりやすく伝える工夫
自衛官としての実績を企業にわかりやすく伝えるためには、具体的なエピソードや一般的な言葉を用いることが大切です。
例えば、「隊長として部隊を率いた」ではなく、「チームを効果的にマネジメントし、目標達成をサポートした」といった表現にすることで、企業側に伝わりやすくなります。
また、自衛隊特有の役職名を使わずに、企業が理解しやすい用語に置き換える工夫が必要です。
加えて、個人的に重要だと考えているのは、『具体的なエピソード』を入れることだと考えています。
コレがあるかないかで採用担当の理解度に差がつきますし、ビジネスパーソンとしてのあなたの仕事ぶりを理解してもらえる良い機会となります。
ぜひ、具体的な仕事の事例のエピソードを入れるようにしましょう。
おわりに
職務経歴書は、企業が「ぜひこの人と話してみたい」と思うかどうかの重要な判断材料です。
そのためには、企業目線で自分の経験をまとめ直し、自分のスキルがどのように企業に貢献できるかを明確に伝える必要があります。
今回の記事で紹介したポイントを意識して、自分の強みを企業にアピールできるように書類を整えましょう。新たなキャリアに向けた第一歩を踏み出し、これまでの経験を活かしながら、転職活動を成功させてください。