はじめに
「人が会社を選ぶ時代」――そんな希望に満ちた言葉を耳にして、「これで自分も会社を自由に選べる！」と感じた現役自衛官のあなた。ですが、ちょっと待って下さい。
このメッセージは日本の労働人口のほとんどを占める会社員向けの言葉だということを知っていますか？
実はこの言葉は、誰にでも当てはまるわけではありません。転職市場では、スキルや経験が整理され、それが企業に求められるものである人だけが「選ぶ」立場に立てるのです。
自衛官として培った経験は確かに貴重ですが、それを企業が評価する形に変えなければ、転職市場で苦戦する可能性があります。この記事では、「選ばれる人材」として転職を成功させるための具体的な方法を徹底解説します。
こんな人にオススメ
- 転職を考えている30代の現役自衛官
- 転職活動を始めたいけれど、一歩が踏み出せない方
- 転職市場の現実に興味がある方
この記事でこんなことがわかります！
- 「人が会社を選ぶ時代」とは具体的にどういう状況なのかを理解できる。
- 自衛官が民間で活かせるスキルを明確にする方法がわかる。
- 転職市場で「選ばれる人材」になるための具体的な準備がわかる。
人が会社を選ぶ時代とは？
「人が会社を選ぶ時代」という言葉がよく聞かれるようになりました。NewsPicksでも以下のような記事が出ています。
その背景には、以下のような社会的な変化があります。
・少子高齢化と人材不足
日本は深刻な少子高齢化社会を迎えています。その影響で、企業は慢性的な人材不足に直面しており、転職市場の求人倍率が2.7を超え、1人あたり2〜3件の求人がある状態です。
・働き方の多様化
多様性が尊重される時代になり、個人の価値観やライフスタイルに合った働き方が求められています。特にワークライフバランスを重視する傾向が強まっています。
・企業側の課題
企業は求職者に選ばれるために待遇を改善したり、柔軟な働き方を導入しています。
優秀な人材に長く結果を出してもらうために、多くの施策が行われています。
このような状況なのに、なぜ自衛官は市場から求められないのでしょうか？
現役自衛官が抱える「転職の壁」とその原因
現役自衛官が転職を考えたとき、次のような「壁」に直面します。
自衛隊の経験をそのまま伝えてしまう
「自衛隊で培ったスキルは民間でも役立つはず」と考え、自衛隊での経験をそのまま伝えてしまう方が多いです。しかし、企業が求めるのは民間企業で活かせる具体性と成果です。「危機管理能力」や「リーダーシップ」だけでは不十分で、それがどのように成果に結びついたのかを示す必要があります。
言葉のミスマッチ
自衛隊特有の言葉遣いや専門用語が、民間では理解されず、面接のコミュニケーションがうまくいかないことがあります。特に、自衛隊内で通用する言葉をそのまま使うと、企業側との意思疎通が難しくなる傾向があります。
キャリアの整理不足
多くの自衛官は、自分の経験を具体的に言語化することに慣れていません。なぜなら自衛隊の中では、それが求められていないからです。何が得意で、どんな成果を上げてきたのかを整理しておかないと、企業にアピールするのは難しいでしょう。
こういった壁の存在によって、「人が企業を選ぶ」どころか、誰にも選ばれない存在となってしまうのです……。
自衛官のスキルを「企業が求める形」に変える方法
転職市場で「選ばれる人材」になるためには、自衛官のスキルを企業が求める形に変換することが重要です。以下のステップを実践してください。
自分のスキルをリストアップする
まず、自分が自衛隊で培ったスキルや経験を洗い出しましょう。
たとえば、一般的には以下のようなスキルがあります。
- リーダーシップ
- リスク管理（災害対応計画や実行）
- チーム運営や部下育成
- その他、業務で培った専門知識
これらを具体的に書き出すことで、自分の強みが明確になります。
民間企業で通用する形に変換する
企業が求めるのは、自衛官独特の言葉ではなく、民間でも理解される表現です。たとえば、
- 「危機管理能力」 → 「リスク管理」
- 「部隊管理」 → 「チームマネジメント」
- 「訓練」 → 「トレーニング」
こうした変換を行うことで、企業にとって分かりやすい形に整えられます。
実績を具体化し数値化する
企業に自分の成果を伝える際、数字や具体例を用いると説得力が増します。
ダメなパターンは、
- 「多くの部下を指導し、予定通りにプロジェクトを完了させた」
- 「能力向上のためのトレーニングを企画し、多数の参加者を得た。
上記のように「形容詞」で表現するのはなるべく避けましょう。
正直、幼稚な印象になります。
これを改善するためには、たとえば、
- 「20名の部下を指導し、予定通りにプロジェクトを完了させた」
- 「能力向上のためのトレーニングを企画し、100名以上の参加者を得た」
こうした実績を整理しておくと、いざ面接という時にもキチンと結果を伝えることができますし、説得力も増します。
おわりに
「人が会社を選ぶ時代」という言葉は、準備をした人にだけ訪れる現実です。
自衛官として培ったスキルを民間企業に合わせて変換し、具体的な成果をアピールできれば、あなたも「選べる人材」になれます。行動を起こし、新しいキャリアへの第一歩を踏み出しましょう！
実際に転職活動を始めると、転職サイトから多くのスカウトが送られてきます。
実はそのスカウト「ニセモノ」かもしれません……。以下の記事を読んで、時間をムダにしないようにして下さいね！
