はじめに
自衛官から民間企業への転職を考える際、重視しているようで重視しきれていない「転職の軸」について、お話をしていきます。
案外軽視されがちなのですが、転職の極意、とも言うべき重要なポイントで、転職成功の鍵となります。
しかし、具体的にどのように「転職の軸」を定めるべきか、なぜ重要なのかを説明してくれるところはそんなに多くありません。まずは、その重要性を詳しく見ていきましょう。
「転職の軸」がない転職は『失敗』につながる
転職を考えている方には必ず転職を決意した理由があります。
しかし、その理由が曖昧で「なんとなく嫌だから」「給料が良さそうだから」といった動機のみで動き出してしまうと、「転職の軸」がない状態になってしまいます。
結果として、新しい職場でも「思っていたのと違った」「転職失敗したかも」と後悔してしまうことにつながります。
そこで大事なのが、「転職の軸」です。
これは「譲れない条件」、つまりあなたが本当に大切にしたい価値観を指します。理想をすべて満たす転職は難しいものの、譲れないポイントを明確にすることで、優先順位が見えてきます。
この優先順位こそが、あなたの転職活動の「戦略」となり、満足度の高い転職につながります。
この転職の軸に沿った転職ができるか否かが、転職成功の成否を決定づけます。
「転職の軸」をどういったものなの?
基本的な転職の軸の内容は、「何を得て、何を捨てるか」を決めることです。
例えば以下のような軸が考えられます。
- 残業が少なく、家族との時間を大切にできる環境
- 組織の方向性や方針に共感できる職場
- 現職よりも年収を増やしたい
- 転勤のない安定した職
- 公務員並みの安定性
- やりがいを優先する
人それぞれの優先順位があるため、自分にとって何が重要かを見極めることが必要です。
転職の軸がないとどうなるか?
「転職の軸」を持たずに行動すると、以下のような失敗につながる可能性があります。
- 年収アップを優先して未経験の職種に飛び込み、後悔
- 企業のネームバリューに振り回され、書類選考で何度も不合格
- 現状からの逃避だけを考え、結果的にブラック企業に就職
このような失敗を避けるためにも、しっかりと転職の軸を定めることが大切です。
実例:八木の場合
私の転職の軸は「自分の力をグローバルに発揮できること」でした。
この背景には「成長できない環境にいるのは耐えられない」という強い思いがあります。
自衛隊で経験したネガティブなこととして、まだ初級幹部の頃に、ヒマな部署に配属されたことが挙げられます。
この部署では、仕事での充実感が得られず、意味のない日々を過ごしてしまった、と今でも感じています。
さらに、規模の大きさではなく、自分がチャレンジしていく仕事がしたいと思っていましたし、誰も手をつけていないことに挑戦したいという気持ちも常にありました。
さらに、3佐になったばかりの頃、3割ほどの力で仕事をこなしていたとき、自分の成長や達成感を感じられず、「このままでは自分が持つ力を発揮できない」と感じていました。
そこで、成長機会や新しい挑戦を求めて転職活動を開始しました。
実際に外資系企業に転職してみると、これが正しい選択だったと実感しました。
新しい環境での仕事の感想は素直にこんな感じでした。
「たのしいー!」
もちろん大変なこともありますが、何より仕事を楽しむことができているのが何より幸せなことだと思っています。
転職の軸を見つけるための方法
ですが中には、「自分の転職の軸が分からない!」という方もいらっしゃるでしょう。
その場合、まずは現職の「嫌なところ」をすべて書き出してみるのがオススメです!
そのリストを順に並べ、その反対の意味を考えることで、自分の「譲れない価値」が見えてくるかもしれません。
転職軸の具体例
不満から転職の軸を逆算する方法は具体的に以下のような感じです。
- 不満:成長できない環境にいるのがイヤ
→転職軸: 成長を応援し、日々新しいことに挑戦できる職場を求める - 不満:仕事の内容より防大の成績が反映される人事
→転職軸:仕事の成果による公平な評価がある職場で働きたい - 不満:残業が多く、子供との時間が取れない
→転職軸:始業が9時以降で残業が多過ぎず、家族との時間を確保できる職場
まとめ
いかがでしたでしょうか?
転職の軸の重要性や見つけ方が具体的に理解できれば幸いです。
転職の軸がきまったあとは、実際の転職活動に移っていきますが、転職活動のコツはコチラのnote記事をご参照くださいね!