【本質を暴露】「副官」「米留」「CS」が転職にムダな5つの理由|自衛官→民間転職の本質を暴露

自衛官からの転職を考えたとき、どのように職務経歴書にまとめればいいのか、迷うことがあるかもしれません。「自衛官のキャリアは民間企業で役立たないのでは?」という不安や、「民間企業では働くのが自分には難しいのでは?」という疑問を抱えている方も多いでしょう。
本記事では、自衛官が職務経歴書に書くべき経験と書かないべき経験について詳しく解説し、成功へのステップを紹介します。
特に筆者自身が自衛官から民間に転職した際、自衛隊時代に経験した「副官」「米留」「CS」を職務経歴書に書かない理由、そして、面接官目線で見たこれらが不要な理由について詳しく説明します。

こんな人にオススメ

  • 「割とピカピカキャリア」なのに転職活動がうまくいかない現役自衛官の方
  • 職務経歴書の書き方に不安を感じている自衛官の方
  • 民間企業で評価される自分のスキルや経験を知りたい方

この記事でこんなことがわかります!

  1. 自衛官が職務経歴書に書くべき経験とは何か
  2. 「副官」「米留」「CS」はすべてムダ?
  3. 自衛官のスキルを効果的にアピールする方法

自衛官としてのキャリアは、厳しい訓練や多様な経験を通じて培われたスキルや能力が詰まっています。しかし、これらのスキルを民間企業に理解してもらうためには、職務経歴書の書き方が重要です。自衛官の経験をどのように職務経歴書に反映させるかが、転職成功の鍵となります。

ただし、ここで勘違いしてしまいがちなのは、自衛官として優秀なキャリアを職務経歴書に記載してしまうことです。例えば「昇任が早い」「入校で表彰された」「指揮幕僚課程に選抜された」「海外訓練に参加した」「副官として勤務した」などのキャリアです。

これらを職務経歴書に書くことは八木自身は「すべてムダ」だと思っています。実際に八木は「1年弱の米留」「補給本部長副官」「指揮幕僚課程1発合格」を経験しています。ですが、職務経歴書には一切その内容を記載していません。それにはキチンと理由があります。この記事では、自衛官の思うキャリアが、民間の思うキャリアとは違う理由を順を追って説明します。

なお、この内容は、転職を考える自衛官にとって重要であるだけでなく、再就職を控えた自衛官にとっても重要です。なぜなら、民間企業にとってみれば自衛官の再就職は、「56歳の元自衛官が中途採用に応募してくる」という意味以外のなにものでもないからです。
つまり、再就職は「56歳はじめての転職」です。

中途採用は、新卒採用とは異なり、経験や知見が重視されます。企業は即戦力となる人材を求めており、過去の経験や実績がそのまま評価されます。つまり、これまでのキャリアでどのような成果を上げてきたのか、どのようなスキルを持っているのかが重要となります。
したがって、企業が求めているのは、「優秀な自衛官」ではなく「ウチで活躍してくれそうな人」なのです。この考え方を理解していれば、以下のような評価軸が民間企業ではまったく役に立たないことがわかります。

×「自衛官としてあなたがどれだけ優秀か」
×「昇任したタイミングがいかに早かったか」
×「指揮幕僚課程に行ったか。何回目の試験で行ったか」
×「副官を経験しているか。」
×「入校してどれだけ優秀な成績をおさめたか」
×「ボーナスAAをいくつもらっているか」
×「3級賞詞をいくつもらったか」

では、次から自衛官として優秀なピカピカキャリアをアピールすることが、なぜムダなのかについて述べていきます。

突然ですが、あなたの周りにあなたの仕事(自衛隊)のことを詳しく知らない人はいますか?
その人に以下の話題を振ってみましょう。

「俺初任空曹課程の入校で表彰されたんだ。」
「私来年から、指揮幕僚課程、CSCっていうんだけど、そこへの入校が決まったの。」
「今度、幕僚副長の副官になることが決まったんだ!」

おそらくその知人はこう言うでしょう。

 

へぇー、す、すごいね。

(何がすごいかわからんけど)

そうなんです。
自衛官としての経験がある人ならいざ知らず、自衛隊のことをまったく知らない民間企業の採用担当にこんな話をしても「意味がない」のです。
もちろん時間に余裕があって、職務経歴書をじっくり読み込んでくれて、あなたがどれだけ自衛官として優秀な人材かを語ることができるなら、それでも構いません。
ですが、世の中の採用担当は、そんな時間はありません。1つの職務経歴書を読む時間は1分未満と言われています。その中で、「伝わらない経歴」を書いている余裕などないのです。

中には、「自衛官として優秀であることをアピールすれば、評価が上がるかもしれない!」と考える人もいます。ですが、それは完全に誤りです。その理由は次でお伝えします。

あなたが転職活動を考えているのであれば、多くの場合、それは「中途採用」のはずです。
民間企業の中途採用は、新卒採用と大きく異なり、「即戦力として活躍してくれるか」ということが判断基準となります。そのため、アピールすべき点は、「仕事ができるか否か」という1点のみに集約されます。

したがって、自衛隊の「優秀な入校成績」や「CSの試験に合格」という、いわゆる「勉強ができる」というスキルは「意味がない」アピールとなります。

実はそれは東大卒や京大卒でも同じことです。「東大卒だけど、まったく仕事ができない人」と「3流大学だけど、仕事の成果が抜群な人」がいれば、マトモな企業であれば後者を採用します。
なぜなら、企業の使命は、顧客に成果(サービス)を提供することであって、「勉強をすること」ではないからです。
もちろん勉強ができれば、いろんな物事への理解が深まったり、飲み込みが早いというメリットはあります。さらに指揮幕僚課程を履修することで、思考力や戦略的な考え方ができるようになる、というメリットもあります。ですが、これも結局は履修後に何かしらの結果をだして、初めてアピールできることです。本質的には「中途採用は、即戦力を採用する」というのが原則です。

どんなにピカピカなキャリアを伝えても、人材としての価値を伝えられなければ、民間企業はあなたのことを「即戦力」とは見なしてくれません。つまり「自衛官として優秀であることをアピールすれば、評価が上がるかもしれない!」というのは応募者の勝手な思い込みなのです。

評価されるなら高いほうが良い。……けどそのアピールは真逆の効果かも……

そして、さらなる悪影響があります。

理由その①でも例としてお伝えしましたが、そもそも相手に伝わらないような内容を話す人について、あなたはどう思いますか?正直ちょっと面倒ですよね。

これと同じことが転職活動でも言えます。
私自身転職活動を通じて感じたのは、転職活動は「お互いの理解を埋めるゲーム」だということです。

どういうことか説明しますね。

一般的に転職希望者は、何かしらの条件を叶えたいために転職をします。それが年収なのか、勤務環境なのか、はたまた勤務地なのかは、人によりけりです。その条件を叶える求人を見つけ、「私はこの求人を満たす人材ですよ!」ということをアピールします。

一方で、求人を出している企業側は、企業の発展のために欲しい人材の人物像や持っておいてほしいスキルを明示した上で、「こんな人材を求めています!」と求人を出します。

企業は応募者から職務経歴書を受け取り、確保すべき人材なのか否かを判断します。そして、書類上適切だと判断すれば、面接に進み、お互いの理解を深めていきます。その面接が一回なのか二回なのかは求人によりけりですが、より大きな役割を果たして欲しい場合は、回数は多くなりますし、期間も長くなります。
この期間のなかで、応募者が「この企業なら自分の叶えたい条件を叶えられそう」と感じ、企業側も「この人ならうちの人材として活躍してくれそう」と判断すれば、晴れて内定となるわけです。

したがって、民間企業にまったく意味の通じない「指揮幕僚課程」「入校成績優秀」「海外訓練参加」「副官経験有り」なんてことを書いているスキマなんて、あるはずがないんです。

もしあなたが、これらを経験していて、職務経歴書に書いているなら、今すぐ削除することをオススメします。コミュニケーションが取れない人だと思われてしまいますよ。

「これやっておいてって言ったよね?」というやりとりは
自衛隊でも民間でもやっぱり嫌われます。

コミュニケーションが取れないばかりか、こんなデメリットもあります。

例えば、あなたがなにかしらの装備品の整備をしてきた経験を持つ自衛官だとします。あなたのキャリアの大半は整備業務が占めていて、自分自身でも整備業務に関連することなら少し自信がある状態だとします。

そんななかで、整備業務とは関係のない入校で「優秀な成績」をおさめたとします。
また「海外訓練」にも参加したとしましょう(行なう業務は日本にいるときと基本的に同じですよね)。

その2つの経歴を、「整備業務」の経歴と一緒に記載したとします。おそらく以下のような記載内容になるでしょう。

入隊依頼、航空機の整備業務に従事。航空機の飛行前点検や毎飛行後点検に従事するとともに、令和○年からは航空機の定期整備に関する業務にも従事、主として航空機の与圧・空調システムの整備に従事した。この間、海外訓練にも参加し、知見を積んだ。加えて、令和◯年、昇任後の初任空曹課程において成績優秀者として表彰を受けた。

これを読んだ民間企業の採用担当が、真っ先に思い浮かぶ質問があります。
それは、以下のようなものです。

『初任空曹課程……?というもので、成績優秀者として表彰された経歴を記載しているけど、航空機の整備業務に関して何かしらの表彰を受けた、ということ?』

『海外訓練に参加と書いているけど、普段の整備業務との違いは何かあるのか……?航空自衛隊は海外運航の経験が少ないのかな…?』

このように、「経歴の一貫性」がなくなってしまうのです。経歴の一貫性がなくなるということは、企業から「即戦力」だと思ってもらえません。上記のような質問が頭に浮かんできてしまっては、他の優秀な候補者たちに遅れを取ります。アピールしたい気持ちはわかりますが、そこをグッとこらえて、「経歴の一貫性」を重要視しましょう。

「ここに△△がある意味は……」と考えさせてしまうこと自体がアウト。

それができないと最終的にこんな結果を迎えます。。。

以上で見てきたように自衛隊のピカピカキャリアを民間企業にアピールしてしまうと、「そもそも伝わらない」「人材価値ダウン」「コミュ下手認定」「即戦力として使えない」という最悪なアピールを民間企業にし続けることになります。

その結果、

あなたの市場価値は下がります。

大事なことなので、もう一度。

あなたの市場価値は下がります。

大変残念ながら、民間企業は「優秀な自衛官」にはまっっっっっったく興味がありません。
自衛官として優秀なら、自衛官のまま働き続ければ良いからです。
でも、民間で働くなら、民間企業でも通用するスキル・知見・経験を有していないと、即戦力として認知されませんし、何より結果が出せません。

もちろん入校で優秀な成績をおさめた自衛官、指揮幕僚課程に合格した自衛官、そして米留や副官を経験している自衛官は、それぞれ元々アサインされている職種で一定程度の結果を出してきたからこそ、優秀な自衛官としての評価を受けているのだと思います。

でも、民間で評価されるのは、「一定の結果を出してきた人」であって、「お勉強」ができる人ではないのです。(大変キツイ言い方をしているのは承知ですが、私もその「お勉強」ができる側の人だったのであえて言っています……。)

これまで述べてきたように、自衛官が職務経歴書に書くべき経験とは、民間企業で評価されるスキルや実績です。自衛官の補職の関係上、一定の職務に就くことができる期間は短くて1年。長くて数年ですが、この最短で1年の間に何かしらの業務を行っているはずです。例えば、改善業務であったり、規則の改訂・作成、あるいは訓練の企画もあるかもしれません。

私が自衛官として勤務していた間は、なぜか改善に関する業務に従事することが多かったため、プロジェクト管理の経験やリーダーシップ、問題解決能力などを職務経歴書に記載しました。
そして、その職務経歴書には『米留』『副官』『CSC』は一言も記載していません。なぜなら、プロジェクト管理、リーダーシップ、そして問題解決に関する経歴とは一切関係がないからです。英語については記載しておく必要があったので、記載をしましたが、TOEICスコアと英検について記載をしただけで、その他の記載はしていません。

一貫して留意していたのは、「即戦力としてのアピール」。
これだけです。

アピールするのは、ビジネススキルのみ。シンプルにいきましょう。

「こんなこと言われたら書くことが無くなる」
「もう書ける内容なんてない」

こんなふうに感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、大丈夫!あなたにはあなたが自衛隊で培ってきたキャリアがキチンとあります。それを見つける手段をお伝えします。

1つ目。『今までの経歴をすべて振り返ってみる』

あなたが今までに経験した業務をすべて書き出してみましょう。このときは、「これは書かなくていいな」「これはいらないかも」といった判断は一切不要です。とりあえず全てを書き出しましょう。

2つ目。『共通する項目を抜き出してみる』

書き出してみたら、同じようなジャンルが見えてくるはずです。例えば、職種に強く関連することであったり、安全に関すること、改善に関すること、はたまた職種ではないけど人事に関係すること等さまざまな観点が見えてくるはずです。

3つ目。『なるべく数値化してみる』

共通する項目が見えてきたら、次は数値化です。
数値化というと難しく考えてしまう方もいらっしゃいますが、基本的には「人の数」「モノの数」をまず記載するようにしましょう。人の数は厳密でなくても構いません(自衛隊の場合、特定の業務を行なう中でも人数が変動したりするので……)。モノの数も覚えている範囲で差し支えありません。とにかく数えられるものをどんどん書き出していきましょう。
その次に、実施した日数や実施した回数などを記載していきます。ここで可能であれば、前年比や前回比を入れるとなお良いです!

4つ目。『高校生でもわかる単語に言い換える』

そして最後に言い換えです。
まず最初に断言しますが、自衛隊の言葉は民間には通じません。なので、なるべく全ての言葉を高校生にも伝わるように言い換える必要があります。この際、多少勘違いされるのは問題ありません。肝心なのはあなたが仕事で出してきた成果です。この部分が勘違いされなければ、「地対空誘導ミサイル」を「ミサイル」に言い換えてもいいですし、「F-35/F-15戦闘機に関する整備」も「航空機の整備」と言い換えてOKです。
大事なので、もう一回言いますが、肝心なのは、あなたの成果を正しく伝えることであって、装備品の名前を正確に伝えることではありません。

この手順で八木は職務経歴書を整理し、最終的に世界最大手外資企業からの内定を獲得しました。ぜひ参考にしてくださいね!


自衛官としての経験は、民間企業でも非常に価値のあるものです。本記事を参考にして、職務経歴書を効果的に作成し、自分の強みを最大限にアピールしてください。
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目次
1.  民間に来て分かった『自衛官は使えない』は大ウソ。
2. 【新常識】長期戦禁止!!自衛官の転職活動は「短期決戦」と心得よ。
3. 自衛官がキャリアチェンジでぶつかる3つの壁とは……?
4. 【実践!】職務経歴書作成の3ステップ
5. 面接官目線で見る「喉から手が出るほど欲しい人材」の特徴
6. 「ウソでしょ?」キャリアチェンジに必要なのは資格ではなく○◯!
7. 最大の難関!!「実績のまとめ」
8. 「まずは転職サイトに登録!」があなたの職務経歴書をダメにする理由
9. 51名の転職希望自衛官を見てわかった「キャリアチェンジに成功する自衛官×失敗する自衛官」


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