はじめに
「転職を考えているけど、やりたいことがない…」と感じたことはありませんか?
自衛官として長年働いてきたあなたにとって、転職というのは初めての経験だと思います。転職のことを調べ始めると、「やりたいことを軸にしよう!」とか「やれることと興味があることをしよう」といった転職のアドバイスに直面します。
そのアドバイスを素直に受け取ってしまうと「やりたいことがないと転職してはいけない」と思ってしまいがちです。
断言しますが、転職活動では
「やりたいこと」は
不要です。
特に30代以降になると、「やりたいこと」を基準に転職活動を進めることが難しくなるのが現実です。なぜなら、年齢が上がるにつれて、企業が求めるのは「即戦力」であり、実績やスキルが重要視されるからです。
本記事では、「やりたいこと」を探すことのデメリットや、30代以降の転職活動で「やれること」を基準に進めるメリットについて解説します。
こんな人にオススメ
・転職を考え始めたけど、何を目指せばいいかわからずに悩んでいる方
・30代以上で、自衛官としての経験をどう活かせるかが見えず、転職活動に行き詰まっている人
・やりたいことを優先して転職した結果、年収が下がったり、働き方に不満を抱えている方
・やりたいことを諦めたくないけど、現実的な進め方を知りたいと思っている方
この記事でこんなことがわかります!
- やりたいことを軸にした転職活動のデメリット
- 30代以降の転職活動で「やれること」を基準にする重要性
- 「やれること」を具体的にアピールする方法
「やりたいこと」なんてなくて良い。
「やりたいことが見つからないと転職できない」と思い込むことは、多くの人が陥りがちな罠です。
ですが、そもそも転職活動に
「やりたいこと」は不要。
しかし、転職市場の現実を知れば、その思い込みを解消できます。
まず知っておきたいのは、転職は企業にとって「中途採用」であるという点です。
新卒採用とは異なり、企業は「即戦力」として働ける人材を求めています。
そのため、応募者が「この仕事をやりたいかどうか」には関心がありません。
企業が重視するのは、「この人がどんなスキルを持っていて、具体的にどのような成果を出せるのか」という点です。
実際、八木自身が自衛官から民間に転職した際には、「やりたいこと」なんてありませんでした。
そのおかげで周囲からも時々
「その仕事がやりたかったの?」
と聞かれます。
正直、
「余計なお世話!」
と思っています(笑)
ただそのまま回答すると問題なので、「やりたかったことかどうかはわかんないけど、やってて楽しい。」と回答することにしています(笑)
(実際、楽しいのは本当。)
特に自衛官の場合、国防という崇高な使命があります。
実際に入隊する人たちは、生活の手段というより国防の思いを持って入隊するケースが多いです。
それゆえ
「自衛隊辞める=高い志がある」
という構図になりやすいんです。
(宇宙飛行士とか、国会議員とか、起業とか……)
キャリアは
「やりたいことよりやれること」
あの「イシューからはじめよ」で有名な安宅先生も若者向けへの講演で以下のように語っています。
「まずはメシを食えるようにしろ」
そうなんですよ。
そもそもメシを食えるかどうかわからないのに、やりたいことを探す必要なんてありません。
世の中には、やりたいことをやり抜いて成功した話がゴロゴロ転がっています。
「あの時の苦労が今の僕を作っています」なんていうセリフ、何度聞いたかわかりません。
このような姿に憧れるのはわかりますが、転職においては
「危険な思想」
です。
そもそもやりたいことがはっきり見えている人であれば、この記事には辿りつかないでしょうし、放っておいてもやりたいことをやります。
あなたはこの記事を読んでいる時点で、やりたいことを探す必要なんてないんです。
しかも!
「やりたいこと」を優先した転職は、企業側のニーズとマッチせず、次のようなリスクが発生します。
❌年収が下がる
未経験分野への転職では、スタートラインが低くなるため、給与条件が下がります。企業は成果を出す人材には高い年収を出しますが、そうではない人材には低い年収しか払いません。
❌採用ハードルが高くなる
企業は即戦力を求めているため、スキルや経験が不足していると採用を見送られるケースが増えます。
❌入社後のキャッチアップが大変
入社後に学ぶことが多くなるため、周囲に遅れを取る可能性が高くなります。
❌「やりたいこと難民」になる
最後はネタっぽい感じがしますが、ガチです。
やりたいことを探し始めると、ほぼ100%「やりたいこと難民」になります。
私の元に相談に来られた自衛官のうち、20%くらいの方が「やりたいこと難民」となっています。こうなってしまったら最後、あと数年はやりたいことを探し続ける羽目になります。
そして、八木からお伝えできるのは「がんばってくださいね」しかありません。なぜならやめろと言っても聞かないですし、言っても何の効果もないからです。
これらの現実を踏まえると、「やりたいこと」に固執するのではなく、「やれること」に目を向けて転職活動を進める方が、採用成功の可能性を高める近道となります。
30代以降は
「やれること」に集中
あなたが20代であれば、やりたいことを探していても特に問題ありません。
ですが、30代で転職をすでに検討しているのなら、「やれること」だけに集中してください。
転職市場において、30代以降の応募者に対して企業が期待するのは、即戦力としての活躍です。
そのため「やりたいこと」ではなく、「やれること」を基準にした転職活動が最も現実的な選択肢となります。
企業の視点では、応募者が「この仕事をやりたい」と思っているかどうかよりも、「今すぐ成果を出せるスキルや経験を持っているか」が重要です。
応募者が若ければ、「夢があって良いね」と受け流してくれます。
ですが、30代を超えて、実践的なスキルも経験もないのに、「この仕事がやりたい仕事なんです!」なんて言った日には、遠い目で面接官にあしらわれること確定です。
現実的な話、自衛隊から民間企業に転職する場合、具体的には、次のようなポイントが評価されます:
- これまで自衛隊で培った専門知識や実績
- オペレーションや業務の改善経験
- マネジメントスキル
- リスク管理能力
- チームを率いるリーダーシップスキル
- 問題解決能力
- 計画立案スキル
などなど。
これらのスキルは、自衛官としての経験をしっかりと棚卸しし、具体化することで企業側に伝わりやすくなります。
「やれること」を基準に転職活動を進めることで、年収やキャリアの安定性を保ちながら、企業側の期待にも応えることができますよ!
やれることを見つける
超具体的な方法
さて、ここまで「やりたいこと」ではなく「やれること」を重要視すべき理由を述べてきました。
ただし、自衛官としてのスキルや経験は非常に多種多様です。
ややもすれば、自衛官として自分が何をしてきたのかわからなくなることもしばしば。
それらを民間企業で活かすためには、まず自分の経歴を整理し、棚卸しをすることが何より重要です。
経歴の棚卸しとは?
経歴の棚卸しとは、これまでの自分の経験を具体的なエピソードとして洗い出し、それを体系的に整理する作業です。特に、自衛隊での業務は専門的で多岐にわたるため、一つひとつを具体化し、抽象化していくことが大切です。
この作業によって、自分のスキルがどのような場面で活用できるのかが明確になります。
具体例
- 具体的な経験の例
「100人の部隊を率いて、災害救助活動を実施」
「年間10回以上の訓練計画を策定・実行」
- 具体的な経験を抽象的なスキルに変換
「マネジメント」、「リーダーシップ」、「効率的な計画立案能力」、「計画実行力」
これにより、自分の強みがどの業界で活きるのかが見えてきます。
もっと詳しいやり方はコチラを参照ください!
自衛官の転職を成功に導く!
絶対にやるべき「キャリアの棚卸し」と民間に通用する「伝え方」
おわりに
転職活動は「やりたいこと」ではなく「やれること」を基準にすることで、現実的でスムーズに進められます。本記事が次の一歩の助けになれば幸いです!