【なぜ?】正義感の強い自衛官がやりがちな「ある行為」が民間ではクビにつながる。

「正義感」が強いのは「他力本願」?

最近よく考えることのうちの1つに、『正義感』があります。

自衛官として勤務していたとき、
よく見かけたのが 『これ、おかしいと思います!』
と言う隊員です。 (准曹士に限らず、幹部も。)

こういうことを言える隊員は、
正義感が強く、
周りの隊員・仲間を思いやる気持ちが強くて、
困っている人を放っておけないタイプが多いと思います。

こうやって書くと素晴らしい人のように思えるのですが、
ビジネス・仕事のことになると話は別です。

こういう人たちは必ずと言って良いほど、
日の目を浴びませんし、
なんならクビになります

なぜか。

結局「他力本願」だからです。

「これおかしいです」と上司に言う人は、
「上司がなんとかしてくれる」と思っています。

なんなら自分が代表して何か意見を言うことで、
同じく不満を抱えている人たちの好感を得ようとすることすらあります。

かなり厳しいことを言いますが、なぜかと言うと、
何を隠そう八木も「他力本願野郎」だったからです……。

「正義感の強い他力本願野郎」は、ウラで上司に「期待」している。

20代の頃は理不尽な上司や、
その上司の言うことをよく聞く先輩は、
自分たち弱い立場の人たちの敵だと思っていました。

なので現場の隊員を代表したかのように
「それはおかしいです」
と言っていました。

組織の慣習に異議を唱え、規則に怒りを感じ、
現場隊員だけが割を食う組織体制に憤りを感じていました。

例えば、勤務について。
自衛隊では、勤務上は休みだけど、
基地の中にいないといけない制限、
いわゆる「待機」を課せられることがあります。

この待機は皆がみんな休んでしまったら、
地震や非常事態にすぐに対応できないからです。

こういった休みの取り方には議論がつきものです。
『基地内に「待機」という時点で勤務だ』
とか
『任務のためにはほかに手段がない』
とか。

その点についてここでは話しませんが、
前述の『正義感が強い他力本願野郎』(昔の八木)は
上司にこう言います。

『おかしいと思います!』

心の中では、
「お前(上司)の方が、
自衛隊経験積んでいるんだから、
何かしらの解決策を持ってるだろ。」
という期待にも似た気持ちがあったと思います。

これを民間でやればどうなるでしょうか?

『面倒なやつ』で終わりですし、
前述したとおり、指示した事項を行わないという理由で
処分の対象にもなりかねません。

他力本願から「自力本願」へ。

じゃあ、黙っていれば良いのか?
違います。

自分で対策を考えるんです。

自分でおかしいと思っていることや
理不尽だと思っていることを解決する方法や
手段を考え、提案するんです。

上司に「おかしいと思う」なんて
誰にでも言えます。

このことに気づいたのは、
2等空尉の終わり頃だったと思います。

不満があるなら自分で改善する。

理不尽だと思うなら自分が動く。

これが理解できるようになって、
そして実践できるようになって、
すごく自衛隊生活がラクになりました。

そして、
同時に仕事が楽しいと
思えるようにもなりました。

本当に価値があるのは、
おかしいと思うことを、
「これはおかしい!」と
他人に訴えることではなく、
おかしいと思うことを、
「これ変えよっか。」と
自分の力で変えようとすることです。

自衛官から見ると
民間企業はピカピカした場所に
見えるかもしれません。

それでもやっぱり、
様々な不満点はあります。

それをグチや文句で発散するのではなく、
実際に自分の行動として、実践していく。

「人材」としての本当の価値は、
そこにあるのではないかと思います。

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