【自衛官の採用停止38%】定年退官後の闇:自衛官の再就職で成功するための秘訣

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自衛官としての長いキャリアに区切りがつくタイミングである「再就職」。
民間企業が自衛官としての経験をどう評価するのか、本当に自分のスキルが通用するのか。そんな疑問を抱くのは自然なことです。この記事では、財務省が公表している「退職予定自衛官に係る就職援護事業」の調査結果と八木自身の経験に基づいて、自衛官が直面する再就職の「闇」と、それを乗り越えるための方法についてお話しします。

こんな人にオススメ

  • 定年退官を迎え、次のキャリアに迷いを感じている自衛官
  • 民間企業で自分の経験がどう評価されるか不安な方
  • 再就職のステップや避けるべき失敗を知りたい方
  • 50代後半で新しいキャリアに挑戦しようとしている自衛官

この記事でこんなことがわかります!

  • 自衛官として培ったスキルがどう民間企業で評価されるか
  • 再就職活動で陥りがちな失敗とその回避方法
  • 再就職を成功させるための準備と行動

自衛官が定年退官後に再就職を目指すとき、さまざまな支援策が用意されています。これらの施策をうまく活用することで、これまでのキャリアを活かしつつ、スムーズな再就職を目指すことができます。財務省の調査で記載されている施策は以下のとおりです。

職業適性検査

職業訓練と技能訓練

部外技能訓練と部内技能訓練、そして自動車操縦訓練に分かれています。外部の事業者による訓練や自衛隊内での訓練、自動車操縦訓練など、多様なプログラムがあります。これらを活用して、再就職に必要な技術や知識を身につけることができます。

防災・危機管理教育と通信教育

防災・危機管理教育では、防災に関する知識を学び、民間企業でのリスク管理能力を向上させることができます。

通信教育

技能訓練を受けることができない隊員向けの教育です。

退職管理教育

退職管理教育では、再就職に向けた社会適応性を高めるための知識が提供されます。
業務管理教育:定年退官3年前の退職予定自衛官に対して行われ、再就職に必要な知識の付与と社会適応性を高めるための教育です。
就職補導教育:職業選択に必要な知識を付与するための教育です。

その他、進路相談等の支援、インターンシップ、援護担当者教育、援護後方等々

これらの教育が再就職する自衛官に対して行なわれている教育です。
肝心なのは、これらの教育が実際の再就職に対して効果があるのか、という点なのですが……。

再就職教育の84%がムダ

資料によると、「職業訓練を受けた自衛官の再就職先との関連性」を調査した結果、84%の訓練課目が再就職に直接結びつかないという衝撃の課題が浮き彫りになりました。これが示すのは、教育内容が再就職においてまったく有効でないという現実です。

ごくごく簡単に言うと、

「あなたが受けている訓練の5分の4は意味がない」

ということになります。
もしあなたが60時間の訓練を受けたとするのなら、48時間はドブに捨てている状態なのです……。これでは教育を受けている意味は「ほぼない」という状態になります。

約40%もの企業が「自衛官を採用しない」と回答

さらに、企業アンケートによると、約40%の企業が「自衛官の採用停止、採用の検討なし」と回答しています。
この状況は実は危機的な状態です。
この背景にあるのは、もちろん民間企業の業績にもよりけりですが、「一度自衛官を採用したけど、全然使えなかった」等のネガティブな理由があると推察されます。

しかも、民間企業は公務員と異なって、一度「自衛官を採用しない」と決めてしまったら、採用に覆ることはほぼありません。
なぜなら、地域の中小企業はお互いに情報をやりとりしているからです。
なので、「自衛官を採用したけどダメだった」というウワサが出てしまったら、その地域や業種では正直言って「アウト」です。

再就職を迎える自衛官にとっては、まさに「背水の陣」と言えます。

自衛官の再就職は、厳しい現実に直面しています。特に以下の要因が、再就職の成功を妨げていると推察します。

スキルのミスマッチ

多くの自衛官が、自衛隊で培ったスキルが民間企業で十分に評価されない現実に直面しています。
自衛隊内での専門性が高い職務に従事していた場合、そのスキルがどのように民間企業で活かせるかを表現するのは大変困難です。特に、自衛官自身が自分たちが行なってきた業務を言語化する必要があり、普段からこのようなことを行なっていない自衛官にとっては、ハードルの高い作業でしょう。このミスマッチが、再就職の機会を大きく制限してしまうのです。

地域別の求人格差

再就職先の地域によって、求人の状況には大きな差があります。
特に地方に住む自衛官にとって、地域による採用意欲の低さは深刻な問題です。関東地域以外では、求人の選択肢が限られており、これが再就職活動をさらに困難にしています。

年齢によるハードルの上昇

50代後半の自衛官にとって、年齢が再就職の際の大きな障壁となることがあります。法令上は年齢による雇用の制限はしてはいけないことになっていますが、年齢を理由に、企業側から採用を見送られるケースが増えており、これが再就職の危機的状況を一層深刻にしています。
「再就職」と言うと、「自衛隊が用意してくれる次の職場」みたいなイメージがありますが、これはすでに2024年現在では通用しない考え方でしょう。
民間企業から見れば、再就職であろうが何であろうが、即戦力を確保するための「中途採用」でしかないため、「再就職」=「56才はじめての転職」と再定義する必要があります。
特にAIやコンピュータ化が進む現代においては、よりその傾向は顕著になるでしょう。

再就職の成功を目指すために、自衛官として培ったキャリアをどのように活用すべきか、具体的な手法を紹介します。

キャリアの振り返りと自己分析

まずは、自衛官としてのキャリアを振り返り、これまでどんな経験を積んできたかを整理してみましょう。自衛隊内で培ったリーダーシップや危機管理能力、そして各職種で培った専門技術は、民間企業でも十分に価値があります。
特にQCサークル活動を実施しているのなら、そのまま職務経歴書に書くことができます。これらの強みを明確にし、自分の強みや弱みをはっきりさせることで、再就職活動において自己PRをより効果的に行えるようになります。一番ダメなパターンは「何でもできます」「何でもやります」というアピールです。面接官目線だと、「何でもやります」アピールをする人は「専門性がない人」と判断されます。

民間企業で活用できるスキルや能力の発見

次に、自衛隊で培ったスキルや能力が民間企業でどのように活用できるかを考えてみましょう。
例えば、リスク管理の経験は、企業のリスクマネジメント部門で役立つでしょうし、チームをまとめる力はプロジェクトマネジメントや部門統括の役割に適しています。
また、業務効率化の経験は、ビジネスプロセスの改善に寄与することができます。これらのスキルを民間の言葉で表現し、企業にとっての価値をアピールすることが重要です。

継続的な学習とスキルアップ

定年退官を迎える直前まで、継続的に学習を続けることが、さらなるキャリアアップに繋がります。特に自身が配置されている業務について、自衛隊外で実施されているセミナーなどに参加することで、知見や経験を増やしていくことができます。
新しい業務に取り組む際には、常に学び続ける姿勢が求められます。例えば、民間企業で必要とされる新しい技術や知識を積極的に習得し、それを実務に適用することで、自分の市場価値を高めることができます。また、業界の動向や最新のビジネススキルを学び続けることで、長期的に成功するキャリアを築くことが可能です。


定年退官後の再就職は、新たな挑戦であり、人生の次の章の始まりです。この記事が、皆さんの再就職活動に少しでも役立つことを願っています。今回参照した資料は以下のリンクからご確認いただけます。
※財務省 (34)退職予定自衛官に係る就職援護事業(2024年8月19日閲覧)
https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/budget_execution_audit/fy2021/sy0309/34.pdf

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1.  民間に来て分かった『自衛官は使えない』は大ウソ。
2. 【新常識】長期戦禁止!!自衛官の転職活動は「短期決戦」と心得よ。
3. 自衛官がキャリアチェンジでぶつかる3つの壁とは……?
4. 【実践!】職務経歴書作成の3ステップ
5. 面接官目線で見る「喉から手が出るほど欲しい人材」の特徴
6. 「ウソでしょ?」キャリアチェンジに必要なのは資格ではなく○◯!
7. 最大の難関!!「実績のまとめ」
8. 「まずは転職サイトに登録!」があなたの職務経歴書をダメにする理由
9. 51名の転職希望自衛官を見てわかった「キャリアチェンジに成功する自衛官×失敗する自衛官」


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