【幹部必見】幹部自衛官の強み・スキルを活かす「リスク管理」で転職を成功させる!

はじめに

自衛官から民間企業への転職を考えた際、「自分のスキルが通用するのか?」と不安に感じることは少なくありません。でももし民間でも通用する自衛官ならではのスキルがあったとしたら……??
実は、幹部自衛官が持つ「リスク管理」のスキルは、多くの企業で高く評価される資質です。この記事では、幹部自衛官のリスク管理スキルがどのように転職に役立つかを詳しく解説します。

こんな人にオススメ

  • 定年退官を迎える予定の幹部自衛官
  • 転職を考えているが、自分のスキルに自信が持てない幹部自衛官
  • 民間企業でのキャリアに不安を感じている現役自衛官

この記事でこんなことがわかります!

  1. 幹部自衛官のリスク管理スキルが民間企業でどのように活かせるか
  2. 転職に成功するための具体的なステップ
  3. 民間企業が求めるリーダーシップとマネジメント能力

そもそも「リスク管理」って何?

「リスク管理」とは、企業や組織が直面する潜在的なリスクを特定し、評価し、対策を講じるプロセスです。リスクは突発的な事象による損害や損失の可能性を指します。ISO31000などの国際規格が存在し、リスク管理の重要性が広く認識されています。こう書くと難しそうですが、自衛隊が日々行なっている訓練はほぼ全て「リスク管理」の元に行われています。

リスクの種類

リスクには大きく分けて2種類があります。

  1. 純粋リスク:
    これは損害や損失のみをもたらすリスクです。
    例として、火災、水害、地震、自動車事故、テロ、戦争などがあります。これらは防止または軽減するための対策が求められます。
  2. 投機的(ビジネス)リスク:
    これは損失と利益の両方の可能性を持つリスクで、「ビジネスリスク」とも呼ばれます。
    具体例として、為替変動、金利変動、新商品開発、事業の多角化などが含まれます。これらのリスクは、適切な戦略と管理によって、利益を最大化し、損失を最小化することが求められます。

一般的なリスクマネジメントについて

リスクマネジメントのプロセスは以下のステップで構成されます:

  1. リスクの特定:
    企業内外のすべての潜在的リスクを洗い出します。些細だと思うものも含め、抜け漏れなくリスクをリストアップします。
  2. リスクの分析:
    各リスクの発生確率と影響度を評価し、リスクマトリックスを作成します。これにより、リスクの全体像と優先度を把握できます。
  3. リスクの評価:
    発生確率と影響度に基づいてリスクを分類し、対応の優先順位を決定します。経営資源を効率的に配分するために重要なステップです。
  4. リスクへの対応策の策定:
    リスクを回避、軽減、移転、または許容するための具体的な対策を計画します。例えば、保険への加入や災害対策の強化などが含まれます。
  5. モニタリングと改善:
    実施したリスク対策の効果を定期的に監視し、必要に応じて見直しと改善を行います。PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Action)を活用して継続的にリスク管理を向上させます。

民間におけるリスクとは?

民間企業が直面するリスクには、純粋リスクおよびビジネスリスクをさらに細分化した経済的リスク、法的リスク、技術的リスク、環境リスクなどが含まれます。
例えば、経済的リスクには市場の変動や競争の激化が含まれ、法的リスクにはコンプライアンス違反や訴訟の可能性が含まれます。

デロイトトーマツの調査によれば、国内企業が最も優先的に対処すべきリスクは「人材不足」、次いで「原材料・原油価格の高騰」、「異常気象・自然災害」となっています。

民間企業でのリスク管理の重要性

民間企業において、リスク管理は経営の安定と持続可能性を確保するために欠かせない要素です。特に、グローバル化や技術革新が進む現代社会では、リスク管理の重要性が増しています。企業がリスクに適切に対応することで、信頼性や競争力を高めることができます。

自衛官がリスク管理で活躍できる3つの理由

ちょっと難しい話が続きましたが、ここからが本題です!!
自衛官は、その仕事柄、危機的状況に対処するための高度なリスク管理スキルを持っています。これには、迅速な意思決定能力、状況の評価能力、計画の策定と実行能力が含まれます。

特に、幹部自衛官であれば誰しも災害時の部隊の行動要領や指針について計画を立案したり、計画を見直した経験があるはずです。
その経験をそのまま民間企業に活かすことができるのがリスクマネジメントの仕事です。リスク管理に関わる以下のスキルは、民間企業においても高く評価されます。

  1. 計画の策定と実行力:
    • 自衛官は計画の策定と実行において非常に高いスキルを持っています。災害対応の計画立案や見直しなどの経験は、そのまま民間企業のリスク管理に応用できます。
  2. 迅速な意思決定能力:
    • 自衛官は緊急事態において迅速かつ適切な意思決定を行う訓練を受けています。これは、予期せぬ事態が発生した際に重要なスキルです。
  3. 状況の評価と適応力:
    • 自衛官は常に変化する状況に対応し、最適な行動を取る能力を持っています。この適応力は、企業が直面する様々なリスクに対処する際に大いに役立ちます。

自衛官が経験やスキルを発揮できる場面は?

リスクマネジメントを実施する体制において、その機能を維持し続けるために、以下のような関係者への教育(研修)、情報共有の仕組みや管理規定・マニュアルの整備などを行うことがリスク管理部門が行う事項です。

有事の対応

「有事」といっても、自衛隊が想定する有事と民間企業が想定する有事は異なります。
民間企業の有事は、サービスの多大な遅延や中断が予期される、あるいはその可能性が非常に高い状況が「有事」となります。サービスの中断は企業の信頼を失墜させ、倒産の危険性すら含んでいます。そのため、いかにサービスを中断させずに継続できるかは、リスク管理部門の双肩に掛かっています。

そんな緊迫した状況のなか、冷静かつ落ち着いて対応することができるのが元自衛官の強みです。
実任務や厳しい訓練に耐えてきたあなたなら、周りがパニックになったり、慌ただしくなってもどこ吹く風。こなすべきことを淡々とこなし、情報を的確に集め、次に対処すべき事項をスパッと判断できることでしょう。冷静に対応するあなたの姿を見て、皆が尊敬の念を抱く、まさに実戦を経験してきた「自衛官」だからこそ発揮できる「最強のスキル」がリスク管理です。

関係者への教育(研修)

リスクマネジメントに関わる人材への教育(研修)は不可欠です。
特殊性・専門性の高い場合は社外の専門家に依頼しても構いませんが、継続的な教育を行う場合には、社内講師が望ましいと言えます。座学によるテキストの解説だけでなく、内容によってはワークショップなどによる体験型の研修も必要です。また、継続的に学ぶためにeラーニングによるメニューを用意することもあります。

自衛官であれば、教育・訓練を行うのはお手のもの。部隊で行う普段の教育や支援区隊長などで鍛えた教育実施スキルはここでも活かされます。

情報共有の仕組みの構築

社内におけるリスク管理に関する情報を収集・整理(データベース化)し、共有化していくことによって、見落とされていたリスクの発見や対応策の立案が可能となります。情報を管理する際には、「発現したリスク」と、想定される「発現していないリスク」に分け、毎年更新していく必要があります。

管理規定・マニュアルの作成

管理規定・マニュアルは、実施すべき事項や守るべき事項を定めたもの。部隊でいうところの手順書やSOPに該当します。
定められたルールに従った行動を行うことにより、リスクマネジメントに関する業務の標準化が図られます。状況によって、具体的に何をどのように行えばいいのかが分かるように、文書だけに限らず、画像や映像による対応(見える化)を行います。

おわりに

幹部自衛官として培ったリスク管理スキルは、民間企業で非常に高く評価される資質です。迅速な意思決定能力、計画の策定と実行力、状況の評価と適応力など、自衛官としての経験は多くの企業で必要とされています。
新たなキャリアを模索する際には、これらのスキルを最大限に活かし、リスク管理の分野での活躍を目指してみてはいかがでしょうか。あなたの経験とスキルが、民間企業のリスク管理において大いに役立つことでしょう。

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