【ぶっちゃけわからん】『市場価値』ってなんですか?

自衛官のあなたは転職を考えたときに「自分の市場価値が分からない」と感じたことはありませんか?自衛隊での経験がどれだけ民間企業で評価されるのか、想像しにくいものです。自衛官の多くは、自分が民間企業でどういう価値を発揮できるのかという視点で仕事をとらえたことがなく、自分の市場価値がどこにあるのか全くわからない状態です。しかし、あなたの経験やスキルは確実に民間企業でも通用します。
本記事では、自分の市場価値を見つけるための具体的な方法を元自衛官・現外資企業マネージャーが紹介します。

こんな人にオススメ

  • 転職を考えている現役自衛官や退官後のキャリアを模索している方
  • 自分の市場価値が分からず、転職活動に不安を感じている方
  • 民間企業での自分の評価がどれくらいか知りたい方

この記事でこんなことがわかります!

  • 自衛官の経験やスキルが民間企業でどのように評価されるか
  • 自分の市場価値を見つけるための具体的なステップ
  • 転職活動を成功させるためのポイント

ぶっちゃけ「市場価値」ってなんですか?

「自分の市場価値が分からない」というのは、実は自衛官だけでなく、企業で働く多くの方が直面する悩みです。特に自衛隊から民間企業へ転職を考える場合、「自衛隊での経験が民間企業で評価されないのでは」「自分は正当な評価を受けているのだろうか」と不安になることもあるでしょう。

自衛官の多くは、自分が民間企業でどういう価値を発揮できるのかなんて視点で仕事を考えたことがないので、自分の市場価値がどういうところにあるのか全くわからない状態です。(私自身もそうでした……)まずは市場価値について理解を深めてから、市場価値を高める方法や自分の市場価値を知る方法について見ていきましょう。

市場価値を決める要素って?

市場価値は、一般的にその人が持っているビジネススキルと経験、実績によって判断されます。ビジネススキルは業務を行う上で必要な知識や技術、資格などのテクニカルスキルだけでなく、仕事を進めていく上で欠かせない、以下のような能力も含まれます。

仮説思考力

仮説思考とは、与えられた課題に対して情報収集や分析よりも先に仮説を立て、限られた情報の中から全体像や解決方法を思考する手法です。仮説を立てることで試行錯誤による余計な作業が発生しにくくなるため、スピーディーかつ精度の高い仕事ができるようになります。

課題解決力

課題解決力とは、立てられた仮説に対して検証方法や作業工程を設計し、課題を解決に導くスキルです。課題解決力が高い人材は、課題へ客観的に向き合うことで本質を見極め、目に見える課題だけでなく、将来的に起こる可能性がある潜在的なリスクも含めて対処できるでしょう。

チームビルディング力(マネジメント)

チームビルディングとは、チームメンバーのスキルや経験を最大限に引き出し、協働性を高めるための手法です。課題の分析や仮説の検討、課題解決のための工程設計ができたとしても、周りを巻き込めなければ大きなプロジェクトを成し遂げることはできません。マネジメント力とも似た力といえます。

専門知識

専門知識は、その人が特定の業界や職種で培った知識やスキルを指します。自衛隊では様々な専門知識を習得する機会が多く、これを民間企業でどのように活かすかが重要です。

  • 業界の専門知識:自衛官としての経験は、防衛関連産業やセキュリティ業界で特に高く評価されます。例えば、軍事戦略や防衛システムに関する知識は、セキュリティコンサルティングやリスク管理の分野で役立ちます。
  • 業種の専門知識:自衛隊での特定の職種(例えば、通信、整備、人事など)で得た専門知識は、そのまま民間の同じ業種で活かせます。例えば、整備部隊での経験があれば、保守整備を行なっている会社で即戦力となるでしょう。

これらは業種や職種が変わっても通用する「ポータブルスキル」なので、持っていれば将来的にさまざまな分野で活躍できる可能性が高まるでしょう。 「人生100年時代」といわれているように、今を生きる私たちは、今後さらに社会と関わる期間が長くなります。経済産業省が提唱する『人生100年時代の社会人基礎力』の中でもポータブルスキルは重要視されているため、これらの能力をバランスよく身につけていくとよいでしょう。

ポータブルスキルの身につけ方が分からない

また、ビジネススキルに加え、これまでの仕事で得た経験や実績も、市場価値を決める重要な要素です。数字で表せるような実績はもちろん高く評価されますが、結果的に失敗した経験や数値では測れない実績であっても、そこから何かしら学びがあれば十分評価に値するといえるでしょう。

人材の「需要」と「供給」のバランスで市場価値が変わる

転職市場では、企業が求めるスキルや経験、実績をどれだけ持っているかが市場価値を左右します。ただし、この市場価値は人材の需要と供給のバランスに大きく影響されます。
例えば、近年ではAIやビッグデータを活用したDXを進める企業が増えています。しかし、そのような領域で豊富な実績を持つ人材は限られているため、こうした分野の人材の市場価値が高まりやすい状況です。
転職市場は社会情勢や景気の変化によって需要と供給のバランスが大きく変わるため、同じ人材でもタイミングが異なれば市場価値が上下する点を理解しておきましょう。

市場価値を高めるために、今できることを始めてみましょう

自分の市場価値を高めるには、先に述べたポータブルスキルを身につけることが大切です。まずは、普段の仕事から以下のようなことを意識して、スキルアップを目指しましょう。

主体的な行動を心がけて成果を上げる

変化のスピードが激しい中、その変化に柔軟に対応できる人材は、どの企業でも重宝されます。
決められた仕事だけをしていると自分の地力を高めることに意識が向きにくくなって市場価値も上がらず、いざ転職をしたいと思った際に選択肢が減ってしまいかねません。
ですから、今の職場でもできる限り主体的にチャレンジし、不測の事態が起こっても、その課題にしっかりと向き合って成果を上げることを意識してください。与えられた目標を達成するだけにとどまらず、自分なりの工夫をプラスして成果を出し続けることが市場価値の向上につながります。

チームとしての成果を意識する

ほとんどの仕事は一人だけでこなすことはできません。多くのケースで同じチームのメンバーや他部署などと協力しながら仕事を進めるため、チームワークや組織全体の成果を意識できる人は市場価値が高いといえます。
全体としての成果を上げるために周囲のモチベーションを高めつつ、自分には何ができるかという視点で仕事に取り組んでみましょう。

自分の市場価値を知る方法は「転職しない転職活動」がおすすめです

自分の市場価値を知りたいという方には、実際に転職するかは別として、一度転職活動にチャレンジしてみるのがおすすめの方法です。これは転職活動はするし、最終的に内定までもらうけど、実際には転職はしない、というものです。これをやっておくとあなたの市場価値を客観的に判断できますし、「いつでも転職できるな」という安心感を得ることもできます。

転職活動を成功させるためのポイント

転職活動を成功させるためには、以下のポイントを押さえておくことが大切です。

  1. 自己PRを明確にする:自分の強みやスキルを具体的にアピールするための準備をしましょう。職務経歴書には、自衛官としての具体的な実績やエピソードを記載することが重要です。また、過去の業務実績やプロジェクト経験を振り返り、具体的な成果をリストアップしましょう。例えば、「自衛隊の特定のプロジェクトを行い、計画から実行までを担当し、無事に完了させた」など、具体的な実績を数値化できると良いです。また、同僚や上司からのフィードバックを収集し、自己評価を補強することも有効です。
  2. 面接対策を徹底する:民間企業の面接では、自衛隊での経験をどのように活かせるかを具体的に説明できるように準備しましょう。自衛隊特有の言葉遣いや専門知識を使わず、わかりやすい言葉で話すことを心がけましょう。
  3. 転職エージェントやキャリアカウンセラーに相談する:転職エージェントやキャリアカウンセラーに相談することをお勧めします。彼らは市場の動向や求人情報に精通しており、あなたのスキルセットをどのようにアピールすべきか具体的なアドバイスを提供してくれます。
  4. オンラインツールを活用する:自分の市場価値を把握するために、オンラインで提供されている年収査定やキャリアタイプ診断などのツールを活用するのもおすすめです。ただし、自衛官の市場価値を判断するためのデータは圧倒的に不足しているため、適切な年収が出ない可能性があることを理解しておきましょう。これらのツールはあくまで参考程度にとどめ、他の方法とも併用して評価を行うことが重要です。
  5. ネットワーキングを活用する:既に転職を成功させた元自衛官とのネットワーキングを活用しましょう。彼らから実際の経験談やアドバイスを得ることで、自分の転職活動に役立てることができます。

よくあるミスとその対策

転職活動においてよくあるミスとその対策を理解しておくことも重要です。

  • 「なんとなく」転職活動を始める:目的やゴールがないまま転職活動を始めてしまうと、様々な情報に流されてしまい、結局転職をすることができない、あるいは転職しても後悔する、ということが起きます。なんとなく転職活動を始めるのではなく、転職によって何を達成したいのかを明確にしておきましょう。
  • 自衛隊特有の言葉遣い:自衛隊で使用する言葉や表現は、民間企業では通じないことがあります。例えば、「〜であります」や「自分は〜」などの表現は避け、一般的なビジネス用語を使うようにしましょう。
  • 自己評価の低さ:自衛官の多くは、自分の経験やスキルを過小評価しがちです。特に日々の業務について評価されることを行なっているにも関わらず、「誰にでもできる」と評価してしまいがちです。実際には高い評価を受けることが多いので、自信を持ってアピールしましょう。
  • リサーチ不足:求人市場や企業の求めるスキルセットについてのリサーチが不足していると、適切なポジションを見つけることが難しくなります。しっかりとリサーチを行い、自分に合ったポジションを見つけましょう。

自衛隊用語の置き換え

自衛隊特有の用語や表現は、民間企業では理解されないことが多いです。例えば、「部隊訓練」や「危機管理」などの用語は、「トレーニング」や「リスクマネジメント」に置き換えて説明するようにしましょう。また、自己紹介や経歴説明の際には、具体的なエピソードを交えて話すと理解されやすくなります。

フィードバックを活用する

転職活動をしていく中で、転職エージェントや面接官から質問を受けることで、自分自身が気づいた点や、得たフィードバックを活用して、自分の強みや改善点を明確にしましょう。面接や職務経歴書の作成において、フィードバックを反映させることで、より魅力的なアピールが可能となります。


おわりに

自衛官の経験やスキルは、民間企業でも大いに評価されるものです。本記事を参考にして、自分の市場価値を見つけ、転職活動を成功させましょう。あなたの新しいキャリアが素晴らしいものになることを祈っています。

タイトルとURLをコピーしました